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岩波ホール7月閉館と過去の上映作品一覧

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昨日の昼過ぎに、知人からのLINEで「『岩波ホール』7月閉館」の報道をはじめて知りました。

「えっ!! そうなの!?」

当然、大ビックリです。

岩波ホールが閉館するなんて、これっぽっちも想像していませんでした。

だって、自分のなかでは、いつのまにか「神聖」視してしまっていた岩波ホールです、なんといっても高尚な雲の上の磁場なのですから、閉鎖の理由が、下世話な「経営悪化」だなんて、なんだかガッカリです。

たしかに岩波ホールHPには「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断しました」とあります。

でも、それって「コロナ」だけが問題だったのだろうかという疑念も残ります。

もはや世間はベルイマンもアンゲロプロスもアラン・レネなど「難解な映画」をもはや時代も大衆も必要とせず、永遠の記憶装置としての存在価値さえも自己否定し、その矜持も放棄したということなのでしょうか。

勘繰らないわけにはいきません。

評価の定まっていない作品を発掘して果敢に紹介するという公的な機関ではなかなかできないことを成し遂げてきた岩波ホールの閉館は残念でなりませんが、これって「岩波書店」崩壊の予兆なんかじゃないですよね。

いやいや、そんなことはありません、あるわけありません。

でも、冷静に考えると、自分と「岩波ホール」との距離感、自分と「岩波書店」との距離感を改めて考えると、「あの頃」とは随分と開きが出来てしまったことは否めません。

そうそう、その記事のなかに「これまでの54年間で65か国の映画271本を上映してきた」とあります。

懐かしさもあるので、HPに掲げられている作品をリストアップしてみました。

果たして271本もあるかな~、眠れない夜にでも、ゆっくり数えてみようと思います。





【岩波ホール 過去の上映作品一覧 P A S T F I L M S】



★嗚呼 満蒙開拓団 英題 A Story of Manchurian Settler Communities 羽田澄子監督/2008年/日本映画/日本語/120分/カラー/スタンダード/配給:自由工房/ドキュメンタリー 羽田監督は、戦時中満蒙開拓の名目で中国奥地に送られ敗戦と共に棄民された人々のその後を描き、国家の非情と無責任を追及して多くの観客の支持を得た。
★愛して飲んで歌って 原題 Aimer, Boire et Chanter アラン・レネ監督/2014年/フランス映画/フランス語/108分/カラー/シネマスコープ/配給:クレストインターナショナル アラン・レネ監督の遺作になったこの作品は高齢の製作とは思えないほど、軽やかで瑞々しい。イギリスの戯曲をもとに巨匠は自由闊達に遊び心を示した。
★愛の記録 原題 Kronika wypadków miłosnych アンジェイ・ワイダ監督/1986年/ポーランド映画/ポーランド語/120分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール  ワイダ監督が「鉄の男」以来、5年ぶりにポーランドへ帰還して撮った作品。1939年のリトアニア地方を舞台に、戦争直前の若い恋人たちの生き方を自らの青春に重ね合わせ、郷愁と鎮魂の思いをこめて祖国の運命を描いた。その思いが、観る者にワイダ監督の原点をあらためて想起させた。
★アウシュビッツの女囚 ワンダ・ヤクボフスカ監督/1948年/ポーランド映画/ポーランド語/109分/モノクロ/配給:女たちの映画祭
★青い年 原題 Os Verdes Anos パウロ・ローシャ監督/1963年/ポルトガル映画/ポルトガル語/86分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール ポルトガル映画の日本初公開。地方出身の青年の青春の挫折を描きみずみずしい映像感覚が若い観客の共感を呼んだ。
★青い山 原題 Cisperi mtebi anu daudzerebeli amabavi エリダル・シェンゲラヤ監督/1984年/グルジア映画/ロシア語/95分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 どこの国にも見られる官僚主義の怠慢、無責任、無関心、ユーモラスに描かれたビルの崩壊はソ連崩壊を連想させた。エリダル・シャンゲラーヤ監督日本初登場。
★青空がぼくの家 原題 Langitku Rumahku スラメット・ラハルジョ・ジャロット監督/1989年/インドネシア映画/インドネシア語/105分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 貧富の差を超えて固く結ばれた2人の少年の友情を描き、ジャロット監督はインドネシアの未来を若者に託した。その思いは日本の観客に深い感銘を与えた。
★赤い鯨と白い蛇 英題 A Red Whale and a White Snake せんぼんよしこ監督/2005年/日本映画/日本語/102分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東北新社クリエイツ、ティー・オー・ピー 78歳で映画監督デビューを果たしたせんぼん監督。世代の違う5人の女性のみの出演で、反戦の思いを今残さなければという切迫した気持が伝わってくる。
★アギーレ・神の怒り 原題 Aguirre, Der Zorn Gottes ウェルナー・ヘルツォーク監督/1972年/西ドイツ映画/ドイツ語/93分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 ニュー・ジャーマン・シネマの金字塔と謳われたこの作品の公開により、ヘルツォーク監督の真価が世に問われた。
★AKIKO—あるダンサーの肖像— 英題 AKIKO—A Portrait of a Dancer 羽田澄子監督/1985年/日本映画/日本語/107分/カラー/スタンダード/配給:アキコ・カンダ事務所 モダンダンサー、アキコ・カンダの舞台と日常生活を追い、羽田監督は記録映画の分野に新たな視点を打ち出した。再映を望む声が多く寄せられている。
★秋のソナタ 原題 Höstsonaten/英題 Autumn Sonata イングマール・ベルイマン監督/1978年/スウェーデン映画/スウェーデン語/92分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 イングリット・バーグマンを初めて起用したベルイマンは、母娘のエゴイズムを直視し女性観客の感動を誘い、大ヒットとなる。
★悪霊 原題 Les Possédés アンジェイ・ワイダ監督/1987年/フランス映画/フランス語/116分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画
演劇「ナスターシャ」と映画「悪霊」が同時に日本で公開されたことにより、両分野にわたるワイダの実力と功績を、はじめて目のあたりにすることができた。
★明日、陽はふたたび 原題 Domani フランチェスカ・アルキブジ監督/2000年/イタリア映画/イタリア語/106分/カラー/シネマスコープ/配給:シネマテン 突然災害に襲われ日常生活が崩壊した人々の再生を温かいまなざしで見つめる。子供たちの生き生きした表情が印象的。
★新しい家族 原題 Muzhiki !…… イスクラ・バービッチ監督/1981年/ソビエト映画/ロシア語/97分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 「男たちよ」の原題をもつこの映画の上映中、よい映画を有難うというお礼の言葉を、私たちは何度も受けた。
★新しい人生 原題 Mudar de Vida パウロ・ローシャ監督/1966年/ポルトガル映画/ポルトガル語/94分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール ネオリアリズムの手法で、貧しくとも強く生きる漁村の若者を描いたこの作品は、素朴な美しさが人々に感動を与えた。
★「アニエスによるヴァルダ」2019年/フランス映画/カラー/114分/フランス語〈アニエス・ヴァルダ傑作セレクション〉
★アニエスの浜辺 原題 Les Plages d’Agnès アニエス・ヴァルダ監督/2008年/フランス映画/フランス語/113分/カラー/ヴィスタビジョン/配給:ザジフィルムズ/ドキュメンタリー 女性監督の先駆者でありヌーヴェルヴァーグの旗手アニエス・ヴェルダ。自身と夫ジャック・ドゥミ作品の一部分をちりばめながら軽やかに80年の人生と愛を語る。
★あぶない母さん 原題 Sashishi Deda アナ・ウルシャゼ監督/2017年/ジョージア語/105分/カラー ごく普通の家庭の主婦マナナは表現することへの情熱を抑えられず、家族に内緒で小説を書いていた。家族が知って戸惑うなか、母は身も心も小説に捧げてゆく。そしてしだいに明かされてゆく彼女の過去。弱冠27歳の第1作で世界の注目を集めた話題作。
★阿片戦争 英題 The Opium War シェ・チン(謝晋)監督/1997年/中国映画/中国語/154分/カラー/シネマスコープ/配給:徳間書店、東光徳間 香港が英国植民地となった原因は阿片と官僚の腐敗だった。この現代にも通じる問題を謝晋監督が97年の香港返還に合わせて製作、日本でも大ヒットとなった。
★アメリカの伯父さん 原題 Mon oncle d’Amérique アラン・レネ監督/1980年/フランス映画/フランス語/127分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 常に独創的芸術映画で問題提起を行うアラン・レネは、男女の精神と行動を動物実験と対比させながら、現代文明社会の歪みを描く。
★ある結婚の風景 原題Scener ur ett äktenskap/英題 Scenes from a Marriage イングマール・ベルイマン監督/1974年/スウェーデン映画/168分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:メダリオン・エンタープライズ ベルイマンは、ほぼ全編夫婦2人だけの会話により、夫婦間の愛情、憎悪、嫉妬、挫折、苦悩、またそれを通り越して到達した人間愛を緊張感の中に描く。
★アルシノとコンドル 原題 Alsino y el Condor ミゲール・リッティン監督/1982年/ニカラグア映画/スペイン語/83分/カラー/スタンダード/配給:国際シネマライブラリー 中南米5カ国の映画人たちの協力で完成したニカラグア初の長編劇映画。大空を飛ぶ鳥に自由の夢をたくして、少年はさわやかな笑顔で解放軍の一員となる。
★ある老女の物語 原題 A Woman’s Tale ポール・コックス監督/1991年/オーストラリア映画/英語/96分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 一人の女性が迎えた人生最後の日々。老いてなお独立心を失わず自立して生きる姿に多くの女性が共感、大ヒットした。主演女優シーラ・フローランスは完成半年後に死去。
★アレクサンダー大王 原題 O Megalexandros テオ・アンゲロプロス監督/1980年/ギリシャ=イタリア=西ドイツ映画/ギリシャ語/208分/カラー/スタンダード/配給:フランス映画社 「旅芸人の記録」で多くのファンを得たアンゲロプロス監督の作品。2月、キャンペーンのために来日した監督にさまざまなインタビューが行われ話題を呼んだ。
★安心して老いるために 英題 Getting Old with a Sense of Security 羽田澄子監督/1990年/日本映画/日本語/151分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール/ドキュメンタリー 人間が尊厳をもって生きぬくためには今なにが必要か。日本の現状をとらえながら行政に鋭く問いかけた羽田監督の問題作。現在も各地で上映され続けている。
★アントニア 原題 Antonia マルレーン・ゴリス監督/1995年/オランダ=ベルギー=イギリス映画/オランダ語/103分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:エース ピクチャーズ オランダの農村を舞台にくり広げられる四世代にわたる女性たちの愛と多様な性と生。父権社会を脱して女も男も共に自由に生きる未来を予感させた。



★家と世界 原題 Ghare-Baire サタジット・レイ監督/1984年/インド映画/ベンガル語/139分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 隔絶された世界がわずかながら外に向かって開かれる。詩聖タゴールの原作をレイ監督が的確に映像化した名作。二度も三度もみたという観客が多かった。
★家の鍵 原題 Le chiavi di casa ジャンニ・アメリオ監督/2004年/イタリア映画/イタリア語/111分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ザジフィルムズ 障害を持つ息子と15年ぶりに再会する父親。ぎこちない2人の絆が短かい旅を通じて徐々に深まる。実際の障害者を起用し、辛い現実と共に希望を提示する。
★苺とチョコレート 原題 Fresa y Chocolate トマス・グティエレス・アレア監督/1993年/キューバ=メキシコ=スペイン映画/スペイン語/110分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シネカノン 現代のハバナ。ちぐはぐな二人の若者が、やがて真の友情に結ばれてゆく。人間の心に潜む差別と偏見をついて、世界の話題を集めたアレア監督、珠玉の名作。
★祈り 原題 Vedreba テンギズ・アブラゼ監督/1967年/ジョージア映画/ジョージア語/78分/モノクロ/シネマスコープ/DCP/字幕 児島康宏(原作:冨山房インターナショナル6月刊) 日本初公開。19世紀ジョージアの国民的作家V・プシャヴェラの叙事詩をもとに、モノクロームの荘厳な映像で描いた作品。ジョージア北東部の山岳地帯に住むキリスト教徒とイスラム教徒の因縁の対立を描き敵味方を超えた人間の尊厳と寛容を謳う。
★イフゲニア 原題 Iphigeneía マイケル・カコヤニス監督/1978年/ギリシャ映画/ギリシャ語/127分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 わが子を犠牲にしても権力を得ようとする夫アガメムノン王に対するクリュタイムネストラ妃の激しい怒りは、次の悲劇を生むことになる。ギリシャ神話「イフゲニア」の忠実な映画化であるこの作品は、女性観客の圧倒的な支持を受けた。
★いま原子力発電は・・・羽田澄子監督/1976年/テレビ番組/日本語/25分/カラー/制作:放送番組センター、岩波映画製作所/ドキュメンタリー
福島第一原子力発電所の事故を契機に緊急上映。日本の原発初期に羽田澄子、土本典昭両記録映画監督は警鐘を鳴らしていた。その先見性を示す貴重な作品。
★イラン式料理本 英題 Iranian Cookbook モハマド・シルワーニ監督/2010年/イラン映画/ペルシャ語/72分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アニープラネット/ドキュメンタリー 三世代にわたる妻たちのキッチンを取材することで浮かび上がる現代のイラン社会。女性たちのおしゃべりから国境を越えた家族の共通点も見えてくる。
★インタビュアー 原題 eskolko Intervyu po Lichnym Voprosam ラナ・ゴゴベリーゼ監督/1978年/グルジア(ソビエト)映画/ロシア語/95分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 あなたは幸せですかと読者に問いかける女性記者が、自らの生き甲斐を求めて苦悩する。現代社会を反映するこの映画に男性観客からも強い共感が寄せられた。



★ヴィオレット—ある作家の肖像— 原題Violetteマルタン・プロヴォ監督/2013年/フランス映画/フランス語/139分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ムヴィオラ  1940年代のパリを舞台に、赤裸々に自身を語って文学界に衝撃を与えた実在の女性作家の半生を描く。ボーヴォワールとの親交と共に女性芸術家の苦悩を示す。
★ヴィルコの娘たち 原題 Panny Z Wilka アンジェイ・ワイダ監督/1979年/ポーランド=フランス映画/ポーランド語/118分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール ワイダ監督中期の傑作。死の不安におびえる男と、故郷の隣家の姉妹をめぐるひそやかな心理劇。原作は文豪イヴァシュキェヴィッチの叙情豊かな文芸作。
★薄墨の桜(再上映 1978年初公開)英題 The Cherry Tree with Gray Blossom 羽田澄子監督/1977年/日本映画/日本語/43分/カラー/スタンダード/配給:自由工房/ドキュメンタリー
★歌っているのはだれ? 原題 Ko To Tamo Peva スロボダン・シヤン監督/1980年/ユーゴスラヴィア映画/セルビア語/87分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール こんなに面白い映画は見たことがないというのが、観客の異口同音の感想であった。興行収入の1割を「フィルムセンター焼失フィルムの募金」にあてるべく、上映全期間をチャリティーロードショーとしたのは、日本映画興行始まって以来の試みだという。
★美しい夏キリシマ 英題 A Boy’s Summer In 1945 黒木和雄監督/2002年/日本映画/日本語/118分/カラー/シネマスコープ/配給:パンドラ 1945年夏の黒木和雄監督自身の悲痛な体験からこの傑作が誕生した。少年の眼を通して敗戦を描き、上映中に数々の映画賞を受賞、多くの観客の支持を得た。
★馬を放つ 原題 Centaur アクタン・アリム・クバト監督/2017年/キルギス・フランス・ドイツ・オランダ・日本映画/89分/カラー/シネマスコープ/DCP/5.1ch/配給:ビターズ・エンド 近代化が押し寄せるキルギスで、伝統文化を重んじる主人公が大切なものは何かを問いかける。監督の考えを反映させた主人公を、監督自ら見事に演じた。
★海と大陸 原題 Terraferma エマヌエーレ・クリアレーゼ監督/2011年/イタリア=フランス映画/イタリア語/93分/カラー/シネマスコープ/配給:クレストインターナショナル アフリカから漂着した不法難民と、海の掟で彼らをかくまう漁師。衰退する漁業と、活路となる観光業。重層する対比を描き地中海の島の現実をあぶりだした。
★海の沈黙 デジタルリマスター版 原題 Le Silence de la Mer ジャン=ピエール・メルヴィル監督/1947年/フランス映画/フランス語/86分/モノクロ/スタンダード/配給:クレストインターナショナル 



★映像 原題 Anarekli ギオルギ・ムレヴリイシュヴィリ監督/2010年/ジョージア語/11分/カラー
★エミタイ 原題 Emitai ウスマン・センベーヌ監督/1971年/セネガル映画/ウォロフ語/100分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 黒人アフリカン映画の最大の巨匠ウスマン・センベーヌ監督の日本初公開作品。その素朴で鮮烈な映像は人々を魅了した。2月に来日したセンベーヌ監督が記者会見の席上、私が描くテーマは政治以外にないといった言葉が印象的であった。
★エミリーの未来 原題 L’Avenir D’Emily ヘルマ・サンダース=ブラームス監督/1984年/西ドイツ=フランス映画/フランス語/107分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース



★オール・ザ・キングスメン 原題 All The King’s Men ロバート・ロッセン監督/1949年/アメリカ映画/英語/109分/モノクロ/スタンダード/配給:IP
★『オールド・ドッグ』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★王家の谷 原題 El Mumiaa シャディ・アブデルサラーム監督/1969年/エジプト映画/アラビア語/104分/カラー/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★大いなる幻影 原題 La Grande Illusion ジャン・ルノワール監督/1937年/フランス映画/フランス語/115分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社
★大いなる沈黙へ—グランド・シャルトルーズ修道院 原題 Die Grosse Stille フィリップ・グレーニング監督/2005年/フランス=スイス=ドイツ映画/フランス語/169分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ミモザフィルムズ/ドキュメンタリー 取材申し込みから完成まで21年を要したドキュメンタリー。戒律の厳しい修道院の静寂の世界は、喧騒の中に生きる現代人に衝撃を与え、大ヒットとなった。
★大いなる緑の谷 原題 Didi mtsvane veli メラブ・ココチャシュヴィリ監督/1967年/ジョージア語/87分/カラー 広大な草原を舞台に、伝統を重んじて生きる牛飼いが、近代化の時代の波に歩み寄ることができず、家族とともに苦悩する姿を描く。映像など全てが高く評価され、特に農夫役ダヴィト・アバシゼの全身で時代に体当たりするような演技が印象的な不朽の名作。
★沖縄 うりずんの雨 英題 OKINAWA : The Afterburn ジャン・ユンカーマン監督/2015年/日本映画/日本語、英語/148分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シグロ/ドキュメンタリー 戦後70年にわたり米軍基地を押し付けられ続けた沖縄の苦痛の歴史を、アメリカ人監督が江戸時代に遡って説き起こす。日本の現状を鋭くあぶり出した。
★尾崎翠を探して──第七官界彷徨 英題 Midori 浜野佐知監督/1998年/日本映画/日本語/108分/カラー/配給:「尾崎翠を探して──第七官界彷徨」製作委員会 1920年代に独特の小説を発表し、その後文学史から姿を消した尾崎翠。300本ものピンク映画のキャリアを誇る浜野監督は彼女に魅せられ、初の一般映画として“尾崎翠ワールド”を構築する。
★おじいさんと草原の小学校 原題The First Grader ジャスティン・チャドウィック監督/2010年/イギリス映画/英語/103分/カラー/シネマスコープ/配給:クロックワークス 大統領から届いた手紙を自分で読みたいと、84歳で小学校に入学した実在のケニア人男性。植民地からの独立闘争を背景に、学び続ける尊さを再認識させた。
★落葉 原題 Listopad オタール・イオセリアーニ監督/1966年/グルジア(ソビエト)映画/ロシア語/96分/モノクロ/スタンダード/配給:日本海映画 グルジアの映像詩人オタール・イオセリアーニ監督のデビュー作。人間の暮しの尊さをしみじみと、そしてユーモラスに描き、グルジア映画の実力を遺憾なく発揮した。
★落穂拾い 原題 Les glaneurs et la glaneuse アニエス・ヴァルダ監督/2000年/フランス映画/フランス語/82分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ザジフィルムズ ミレーの絵画から現代人まで“ものを拾う人々”を追って、ヴァルダ監督はユーモア溢れる鋭い文明批評を展開する。
★おばあちゃんの家 英題 The Way Home… イ・ジョンヒャン監督/2002年/韓国映画/韓国語/87分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東京テアトル、ツイン 現代を代表する孫と、伝統の象徴ともいえる祖母の出会いは互いにカルチャーショックを与えつつ理解を深め合う。
★オフィシャル・ストーリー 原題 La Historia Oficial ルイス・プエンソ監督/1985年/アルゼンチン映画/スペイン語/115分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:松竹富士
★オレンジと太陽 原題 Oranges and Sunshine ジム・ローチ監督/2010年/イギリス=オーストラリア映画/英語/106分/カラー/シネマスコープ/配給:ムヴィオラ 1970年代まで秘かに続けられたイギリスの児童移民を女性ソーシャルワーカーが告発しイギリス・オーストラリア両政府の謝罪につながる。この作品は多くの観客の支持を受けた。
★終りよければすべてよし 英題 All’s Well that Ends Well 羽田澄子監督/2006年/日本映画/日本語/129分/カラー/スタンダード/配給:自由工房/ドキュメンタリー ますます進む日本社会の高齢化問題をライフワークとする羽田監督の新作は、模索を続ける医療現場の状況を描き、将来を不安視する多くの観客の支持を得た。
★女と男の危機 原題 La Crise コリーヌ・セロー監督/1992年/フランス映画/フランス語/96分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 現代社会に溢れるさまざまな危機。その中で生きてゆかなければならない女と男。そんな人々へのセロー監督の応援歌。国際家族年にふさわしい作品だった。
★女の一生 原題 Une Vie ステファヌ・ブリゼ監督/2016年/フランス映画/フランス語/119分/カラー/スタンダード/配給:ドマ、ミモザフィルムズ フランスの傑作古典文学を、主人公ジャンヌの視点に置き換え、新たに映像化。彼女の人生に続く苦難と心情を繊細に綴り、観る者の心を揺さぶった。
★女の叫び 原題 A Dream of Passion ジュールス・ダッシン監督/1978年/アメリカ=ギリシャ映画/英語/106分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 ギリシャ悲劇「メディア」をテーマに、現代の母親の子殺しを通じて女性の社会的悲劇を鋭く追及したこの作品は、多くの女性観客の圧倒的支持を得た。



★鏡 原題Zerkalo アンドレイ・タルコフスキー監督/1975年/ソビエト映画/ロシア語/108分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 そのたぐい稀な映像美と詩情豊かなメッセージは、タルコフスキーのファンを確実にふやした。
★鏡の中の女 原題 Ansikte mot ansikte/英題 Face to Face イングマール・ベルイマン監督/1975年/スウェーデン映画/スウェーデン語/119分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 ベルイマンの監督生活30周年記念作品。ここにも絶えざる生の不安というテーマが色濃く映し出されていたが、とりわけリヴ・ウルマンの演技が素晴らしかった。
★鏡は嘘をつかない 原題 Laut Bercermin /英題The Mirror Never Lies カミラ・アンディニ監督/2011年/インドネシア映画/バジョ語、インドネシア語/100分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パイオニア映画シネマデスク インドネシアの美しい珊瑚礁を舞台に漁に出たまま帰らぬ父を待つ母と娘の再生の物語。東日本大震災の津波の恐怖は海の民バジョ族には他人事ではない。
★輝ける青春 原題 La Meglio Gioventu マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督/2003年/イタリア映画/イタリア語/366分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東京テアトル 1960年代から40年にわたるイタリアの現代史を、ローマのある兄弟を中心につむぎ出す。6時間を超える作品だったがリピーターも数多い大ヒット作となった。
★「ガザの美容室」2015年/パレスチナ=フランス=カタール映画/アラビア語/84分/カラー
★風にそよぐ草 原題 Les Herbes Folles アラン・レネ監督/2009年/フランス=イタリア映画/フランス語/104分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 「アメリカの伯父さん」以来、30年ぶりにエキプに登場のアラン・レネ監督は、80歳を超えてますます瑞々しく軽やかに男女の不条理を描き出し好評を得た。
★家族の灯り 原題 Gebo et I’Ombre/英題 Gebo and the Shadow マノエル・ド・オリヴェイラ監督/2012年/ポルトガル=フランス映画/フランス語/95分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 昨年105歳を迎えたポルトガル映画界の至宝オリヴェイラ監督。息子をかばい罪を引き受ける父の切ない思いは世界共通。巨匠の製作意欲は年齢を超える。
★家族の肖像 原題 Gruppo di famiglia in un interno/英題 Conversation Piece ルキノ・ヴィスコンティ監督/1974年/イタリア=フランス映画/英語/121分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和=フランス映画社 1978年にエキプで初公開し、大ヒットした伝説的名作がデジタル修復で甦る。往年のファンから若い世代まで、多くが詰めかけ豪華絢爛な世界に酔いしれた。
★月山 英題 Gassan 村野鐡太郎監督/1978年/日本映画/日本語/103分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 森敦原作。手作りの映画は手作りの上映ホールでとエキプがはじめて取り上げた日本の新作劇映画。この作品の成功で、エキプ・ド・シネマは1979年度の掉尾を飾った。
★カティンの森 原題 Katyń アンジェイ・ワイダ監督/2007年/ポーランド映画/ポーランド語、ドイツ語、ロシア語/122分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム 70年前の「カティンの森」事件で自らも父を失ったワイダ監督は、共産党政権下で話題にすらできなかった真実を格調高く描く。2010年一番のヒットとなった。
★糧なき土地 原題 Las Hurdes ルイス・ブニュエル監督/1932年/スペイン映画/フランス語/29分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社
★歌舞伎役者 片岡仁左衛門<全5巻>英題 Nizaemon Kataoka 羽田澄子監督/1992年/日本映画/日本語/488分/カラー/スタンダード/配給:自由工房
★株式会社 原題 Simabaddha サタジット・レイ監督/1972年/インド映画/ベンガル語/112分/モノクロ/スタンダード/配給:岩波ホール 出世コースをひた走るビジネス・エリート、目的のために手段を選ばぬその姿は、日本社会のエコノミック・アニマルを思わせ、共感を呼ぶ。
★かぼちゃ大王 原題 Il Grande Cocomero フランチェスカ・アルキブジ監督/1993年/イタリア=フランス映画/イタリア語/103分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 小児精神科医と少女患者の交流を通して、医療のあり方や家族の意味を問いかけた、心の大切さが見直される今、日本でも若い層を中心に、多くの観客の支持を得た。
★カミーラ 原題 Camila マリア・ルイサ・ベンベルグ監督/1984年/アルゼンチン=スペイン映画/スペイン語/105分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール
★紙屋悦子の青春 英題 The blossoming of Etsuko Kamiya 黒木和雄監督/2006年/日本映画/日本語/113分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画 特攻として命を落とす青年と彼を慕う娘。青年の友人と結婚した人生を夫婦で振り返る。黒木和雄監督は完成直後に急逝。非戦の思いが通低音となって流れる。
★亀も空を飛ぶ 英題 Turtles Can Fly バフマン・ゴバディ監督/2004年/イラン=イラク映画/クルド語/97分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:オフィスサンマルサン 戦争の中に日常がある2003年頃のイラクのクルド人村。地雷を掘って生計を立てる孤児たちの不条理な現実を告発し、かすかな希望を見出そうとする。
★伽倻子のために 英題 For Kayako 小栗康平監督/1984年/日本映画/日本語/117分/カラー/スタンダード/配給:劇団ひまわり 小栗監督の第2作。静かにひそやかに語られる青年と少女の出会と別れを見終わったあとで、何をお前はしてきたのかと、鋭く問いかけられることに気づく。
★玻璃(ガラス)の城 英題 City of Glass メイベル・チャン(張婉婷)監督/1998年/香港(中国)映画/広東語/110分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アミューズ チャン監督はイギリスから中国に主権が回復する香港の現代史を描くことにより、自らのアイデンティティを追及した。
★ガンジスに還る 原題 Hotel Salvation シュバシシュ・ブティアニ監督/2016年/インド映画/99分/ヒンディー語/カラー/配給:ビターズエンド 聖地バラナシに、死期を悟った老人が、仕事人間の息子と共に向かう。死に向き合う老人と家族の心情をこまやかかつユーモアを持って描き多くの共感を呼んだ。



★木靴の樹 原題 L’Albero degli zoccoli エルマンノ・オルミ監督/1978年/イタリア映画/イタリア語/187分/カラー/スタンダード/配給:ザジフィルムズ 19世紀の北イタリアの農民のつましい生活を慈しみをこめて描く。1979年に岩波ホールで初公開。多くの観客の心を捉え常に再上映の希望が寄せられていた。
★木靴の樹 原題 L’Albero degli zoccoli エルマンノ・オルミ監督/1978年/イタリア映画/イタリア語/187分/カラー/スタンダード/配給:フランス映画社 伝統的なネオリアリズム精神に貫かれたこの作品は、9週間連日満員のうちに上映され、ムーブオーバーされた商業館でも圧倒的な動員記録を樹立した。
★汽車はふたたび故郷へ 原題 Chantrapas オタール・イオセリアーニ監督/2010年/フランス=グルジア映画/フランス語、グルジア語、ロシア語/126分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ビターズ・エンド 映画製作の自由を求めてグルジアからフランスへ渡ったニコを待っていたのは商業主義という新たな壁だった。創作の困難に立ち向かう芸術家を飄々と描く。
★奇跡 原題 Ordet カール・Th・ドライヤー監督/1955年/デンマーク映画/デンマーク語/126分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社 映画史上に残る傑作だが、宗教を題材としているため、この映画に観客が入ったらそれこそ奇跡といわれながら、まさに奇跡をおこして成功をおさめた。
★希望の樹 原題 Drevo Zhelaniya テンギズ・アブラゼ監督/1977年/グルジア(ソビエト)映画/グルジア語/107分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 久しぶりのグルジア作品だったが、この国の映画を愛する観客の多いことが改めて確認された。民族独立を願う人々の心を映し出して生涯忘れられない名作。
★希望の樹 原題 Natvris khe テンギズ・アブラゼ監督/1976年/ジョージア映画/ジョージア語/107分/カラー/スタンダード/DCP/字幕 児島康宏 20世紀初頭、革命前のジョージア東部カヘティ地方の美しい農村。時代の大きな変化を予感して村人たちはそれぞれに動揺していた。そのなか美しい娘と青年の純愛は古い掟と因習のために打ち砕かれてゆく。20世紀を代表するG・レオニゼの短編集が原作。
★今日から始まる 原題 Ҫa Commence aujourd’hui ベルトラン・タヴェルニエ監督/1999年/フランス映画/フランス語/116分/シネマスコープ/配給:共同映画 リストラ、貧困、児童虐待は、今や日本でも日常の社会問題となったが、タヴェルニエ監督は決して絶望せず子どもたちの明るい将来を信じて問題提起を行う。
★極北のナヌーク 原題 NANOOK OF THE NORTH ロバート・フラハティ監督/1922/アメリカ映画/78分/スタンダード/モノクロ/サイレント/BD/配給:グループ現代 白銀の雪と氷に閉じ込められたカナダ北部の極地に住む、主人公ナヌークを長とするイヌイット(エスキモー)族一家が厳しい大自然の中で、たくましく生きてゆくさまを映しとった記録映像の原点。
★キリマンジャロの雪 原題 Les Neiges du Kilimandjaro ロベール・ゲディギャン監督/2011年/フランス映画/フランス語/107分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:クレストインターナショナル 信念をもって自らをもリストラの対象とした労働組合委員長とその妻を通し、公正とは、支えあいとは何かをヒューマンな視点で描き温かな共感を得た。



★草ぶきの学校 原題 草房子/英題 Thatched Memories シュイ・コン(徐耿)監督/1999年/中国映画/中国語/107分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:日本ヘラルド映画 文化大革命前、1960年代の中国蘇州の小学校を舞台に、ひとりの少年の成長を描き現代を見つめ直す。子どもの心理描写に定評あるシュイ・コン監督作品。
★国東物語 英題 Kunisaki Monogatari 村野鐵太郎監督/1984年/日本映画/日本語/112分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:鐵プロダクション 大友宗麟の青年期を、村野監督が力強く描く。初めて触れた西欧文明。F・ザビエルとの運命的出会い。仏教、キリスト教を共に確実に表現して好評だった。
★熊座の淡き星影 原題 Vaghe stelle dell’orsa ルキノ・ヴィスコンティ監督/1965年/イタリア映画/イタリア語/100分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 この作品をもってヴィスコンティ監督の長編劇映画はすべて日本で紹介された。黒白の画像が美しく輝く中期の代表作。
★狂った一頁 英題 A Page of Madness 衣笠貞之助監督/1926年/日本映画/59分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★クレアモントホテル 原題 Mrs.PALFREY at The Claremont ダン・アイアランド監督/2005年/アメリカ=イギリス映画/英語/108分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:クレストインターナショナル 夫を亡くし自立して生きるため一人長期滞在型ホテルに来た老婦人。誰かの娘でも妻でも母でもなく、自分自身を生きようとする姿は多くの観客の支持を得た。



★ゲームの規則 原題 La Règle du Jeu ジャン・ルノワール監督/1939年/フランス映画/フランス語/106分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社 その日本公開が長く待たれていただけにこの作品がゴダールやトリュフォー監督をはじめ、多くの映画作家たちのバイブル的存在であることを十分納得させた。
★ゲッベルスと私 原題 A German Life クリスティアン・クレーネス監督、フロリアン・ヴァイゲンザマー監督、オーラフ・S・ミュラー監督、ローラント・シュロットホーファー監督/2016年/オーストリア映画/ドイツ語/113分/モノクロ/配給:サニーフィルム
ゲッベルスの秘書を務めた103歳のポムゼル氏の独白。全体主義の恐怖を伝える彼女の発言は、現代社会に生きる私たちの警鐘ともなり、若い層にも広がった。
★ケトとコテ 原題 Keto da Kote ヴァフタング・タブリアシュヴィリ監督、シャルヴァ・ゲデヴァニシュヴィリ監督/1948年/ジョージア語/90分/白黒 終戦直後に作られたジョージア初の絢爛豪華なミュージカル映画の傑作。1860年代、ロシア帝政下のチフリスを舞台に、純真なケトと歌が好きなコテが、困難を乗り越えて結婚を成就させるまでを描く。明るく大らか、当時の風物満載で今も人々に愛される作品。
★元始,女性は太陽であった—平塚らいてうの生涯 英題 The Life of Raicho 羽田澄子監督/2001年/日本映画/日本語/140分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 「青鞜」発刊の辞のみが一人歩きしていたらいてうの真実の姿を、羽田監督は日本の近現代史と重ね合わせて描いた。
★原発切抜帖 土本典昭監督/1982年/日本映画/日本語/45分/カラー/製作:青林舎/ドキュメンタリー 福島第一原子力発電所の事故を契機に緊急上映。日本の原発初期に羽田澄子、土本典昭両記録映画監督は警鐘を鳴らしていた。その先見性を示す貴重な作品。



★恋の浮島 原題 A Ilha dos Amores パウロ・ローシャ監督/1982年/日本=ポルトガル映画/日本語、ポルトガル語、広東語/170分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 ローシャ監督が15年の歳月を費して追求した孤愁の作家モラエスの世界。岩波ホール創立15周年記念作品。
★公園からの手紙 原題 Cartas del Parque トマス・グティエレス・アレア監督/1988年/キューバ=スペイン映画/スペイン語/カラー/スタンダード/配給:シネセゾン ハバナ郊外の小さな町でおきた中年の代書屋と若い娘の恋物語。古典的でさわやかなこの作品は、巨匠アレアとキューバの特徴の一つをよく表していた。
★告白 原題 Aghsareba ザザ・ウルシャゼ監督/2017年/ジョージア語/89分/カラー カヘティ地方の田舎の教会に赴任した司祭が、村人たちの意識を高めようとチャップリンやマリリン・モンローの映画上映会を企画する。ある日、村でモンローにそっくりの女性と出会ったことから思いがけない騒動に巻き込まれてゆく。ほろ苦いコメディー。
★「5時から7時までのクレオ」原題 Cléo de 5 à 7 アニエス・ヴァルダ監督/1961年/フランス=イタリア映画/フランス語/90分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:ザジフィルムズ
★胡同の理髪師 英題 The Old Barber ハスチョロー(哈斯朝魯)監督/2006年/中国映画/中国語/105分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アニープラネット 93歳で現役の理髪師の凛とした生き方を本人が演じるという新しいスタイルが話題を呼んだ。理想の老境とも言われ多くの観客が共感、大ヒットとなった。
★こどもしょくどう 日向寺太郎監督/2018年/日本映画/日本語/93分/カラー/ビスタサイズ/配給:パル企画 日本にも広がる子どもの貧困、その対策として広がる「子ども食堂」ができるまでを、食堂を営む一家を軸に子どもの目線で描き、多くの共感と感動を呼んだ。
★子供の情景 英題 Buddha Collapsed out of Shame ハナ・マフマルバフ監督/2007年/イラン=フランス映画/ダリー語/81分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ムヴィオラ、カフェグルーヴ 学校に行って学びたいと願う少女バクタイの日常を追い19歳の女性監督マフマルバフはアフガニスタンの子供たちが置かれた現状を鋭く告発した。
★この素晴らしき世界 原題 Musíme si Pomáhat ヤン・フジェベイク監督/2000年/チェコ映画/チェコ語/123分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映 ナチ占領下に置かれたチェコ市民の抵抗精神を描き戦争の愚かさ、人間の尊厳を訴えた監督は多くの観客の支持を得た。
★木洩れ日の家で 原題Pola umierać ドロタ・ケンジェジャフスカ監督/2007年/ポーランド映画/ポーランド語/109分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パイオニア映画シネマデスク 生れ育った家を愛し、売却を画策する息子を退け希望通りの処分を敢行する母。撮影当時91歳の女優の姿は、内容と共に中高年女性の共感を得て大ヒットした。
★コルチャック先生 原題 Korczak アンジェイ・ワイダ監督/1990年/ポーランド=西独=フランス映画/ポーランド語/118分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 91年度エキプの掉尾を飾ったワイダ監督のこの最新作は、コルチャックの信念と、子どもが生きる権利の大切さを人々に喚起され、大きな感動と話題をよんだ。
★コロンブス 永遠の海  原題 Cristóvão Colombo – O Enigma マノエル・ド・オリヴェイラ監督/2007年/ポルトガル=フランス映画/ポルトガル語、英語/75分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 100歳を超えてなお新作を作り続けるオリヴェイラ監督の自在な若々しい映像に世界中が喝采を送り、日本でも多くの映画ファンの驚きを呼んだ。
★婚礼 原題 Wesele アンジェイ・ワイダ監督/1973年/ポーランド映画/ポーランド語/106分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール ワイダ監督中期の傑作といわれ、エリア・カザンが最も愛した作品である。祖国の自由と再生を願うワイダ監督の心情が、豊かな音と色に彩られて画面を覆う。



★最初の人間 原題 Le Premier Homme ジャンニ・アメリオ監督/2011年/フランス=イタリア=アルジェリア映画/フランス語/105分/ヴィスタヴィジョン/配給:ザジフィルムズ 2013年に生誕100年を迎えたノーベル賞作家カミュの、未完に終わった自伝的小説の映画化。故郷アルジェリア独立を求める人々への愛が深い感動を呼ぶ。
★雑草 原題 L’herbe Sauvage アンリ・デュパルク監督/1977年/コート・ジボワール映画/フランス映画/85分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:エキプ・ド・シネマ
★サラーム・ボンベイ ! 原題 Salaam Bombay ! ミーラー・ナーイル監督/1988年/インド=イギリス=フランス=アメリカ映画/ヒンディー語/113分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シネマ・テン 監督も脚本もカメラマンも女性の3人組が、ボンベイの舗道で逞しく生きるストリート・チルドレンの日常を描いて、圧倒的な支持を受けた。上映中に行われたユニセフ主催の子どもたちのための募金には、300万円近い浄財が寄せられた。
★サラエボ,希望の街角 原題Na Putu/英題 On the Path ヤスミラ・ジュバニッチ監督/2010年/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=オーストリア=ドイツ=クロアチア映画/ボスニア語、クロアチア語、セルビア語/104分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム、ツイン ボスニア紛争から15年後のサラエボに生きる若いカップル。外見は平和を取り戻し復興したように見えても人々の心の傷がいかに深いかを考えさせられた。
★サラエボの花  原題 Grbavica ヤスミラ・ジュバニッチ監督/2006年/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=オーストリア=ドイツ=クロアチア映画/ボスニア語/95分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルバトロス・フィルム、ツイン 旧ユーゴ。かつて平和裏に共存していた民族同士が憎しみ合い、互いに残酷な行為に走る戦争の愚かしさを告発し、悲しみから再生する母娘を温かく描く。
★懺悔 原題 Pokayanie/英題 Repentance テンギズ・アブラゼ監督/1984年/ソビエト(グルジア)映画/グルジア語/153分/カラー/スタンダード/配給:ザジフィルムズ 完成後20年余を経て日本で公開されたこの作品は鮮やかな映像表現を以って独裁と粛清の恐怖を描き、旧ソ連の体制崩壊を導いた傑作として名を残した。
★懺悔 原題 Monanieba テンギズ・アブラゼ監督/1984年/ジョージア映画/ジョージア語/153分/カラー/スタンダード/DCP/字幕 松澤一直/監修 児島康宏 架空の地方都市で、元市長の墓が何者かに暴かれ、犯人の女性が捕らえられる。彼女の証言によって、元市長の独裁により、多くの市民が粛清されたことが明らかになってゆく。スターリン時代を描いたといわれ、ソ連邦のペレストロイカの象徴となった。
★残像 原題Powidoki/英題 Afterimage アンジェイ・ワイダ監督/2016年/ポーランド映画/ポーランド語/99分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム 2016年10月に急逝したワイダ監督の遺作。社会主義政権下で自由な表現が制限される中、自らの信念を貫いた前衛画家。その孤高の姿が監督と重なった。
★「残像」原題 Powidoki/英題 Afterimage アンジェイ・ワイダ監督/2016年/ポーランド映画/ポーランド語/99分/カラー/シネマスコープ 2016年10月に急逝したワイダ監督の遺作。社会主義政権下で自由な表現が制限される中、自らの信念を貫いた前衛画家。その孤高の姿が監督と重なった。
★三人姉妹 原題 Paura e Amore マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/1988年/イタリア=フランス=西ドイツ映画/イタリア語/113分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース チェーホフの美しい3人姉妹が現代のボローニャを舞台によみがえる。100年前に夢みたチェーホフの希望や憧れはむなしくなったけれど、女性たちは励ましあいながら強く生きてゆくことを示唆したM・V・トロッタ監督の名作に、多くの観客が共感した。



★シアター・プノンペン 英題 The Last Reel ソト・クォーリーカー監督/2014年/カンボジア映画/クメール語/105分/カラー/シネマスコープ/配給:パンドラ 40年前のポルポトの大弾圧の時代を生き抜いた人々の苦悩の日々を、一人の女子大生が追う。カンボジアの近現代史の闇を見つめ、未来への希望をさぐる。
★「幸福~しあわせ~」原題 Le Bonheur アニエス・ヴァルダ監督/1964年/フランス映画/フランス語/80分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ザジフィルムズ
★幸せのありか 原題 Chce się żyć/英題 Life feels good マチェイ・ピェブシツア監督/2013年/ポーランド映画/ポーランド語/107分/カラー/シネマスコープ/配給:アルシネテラン 1980年代、民主化に揺れ動いたポーランド。知的障害を疑われた幼い少年の成長を実話に基づいて描く。世界の映画祭と共に日本の観客をも魅了した。
★「シェルブールの雨傘」原題 Les Parapluies de Cherbourg ジャック・ドゥミ監督/1963年/フランス映画/フランス語/91分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ハピネット
★死者の書 英題 The Book of the Dead 川本喜八郎監督/2005年/日本映画/日本語/40分/カラー/スタンダード/配給:桜映画社 折口信夫の小説を人形アニメーションの第一人者川本喜八郎監督が映像化。亡霊となった大津皇子の鎮魂のため布を織る郎女のひたむきな表情は生身の人間を超える。
★静かなる情熱 エミリ・ディキンスン 原題 A QUIET PASSION テレンス・デイヴィス監督/2016年/イギリス=ベルギー映画/英語/125分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム、ミモザフィルムズ 「アメリカ文学史上の奇跡」と言われた女性詩人の伝記的作品。宗教や常識など当時の価値観に縛られず自身と向き合い続けた女性の姿が多くの共感を呼んだ。
★詩聖タゴール 原題 Tagore サタジット・レイ監督/1961年/インド映画/ベンガル語/53分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★ジプシーのとき 原題 Dom za Vesanje エミール・クストリッツァ監督/1989年/ユーゴスラヴィア映画/ロマニ語/143分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 ジプシーの生活を喧騒と猥雑のうちに描きながら、その悲しみを民族の魂の輝きにまで昇華させたクストリッツァ監督の実力に、多くの観客が満足した。
★「ジャック・ドゥミの少年期」1991年/フランス映画/カラー/120分/フランス語」
★ジャック・ドゥミの少年期 原題 Jacquot de Nantes アニエス・ヴァルダ監督/1991年/フランス映画/フランス語/120分/カラー&モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画/ドキュメンタリー
★「ジャック・ドゥミの少年期」原題 Jacquot de Nantes アニエス・ヴァルダ監督/1991年/フランス映画/フランス語/120分/カラー&モノクロ/ヴィスタヴィジョン/ドキュメンタリー
★ジャンヌ・モローの思春期 原題 L’Adolescente ジャンヌ・モロー監督/1979年/フランス映画/フランス語/94分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース フランスの光と風に彩られて、少女から大人へ、マリーのほろ苦い夏休みの思い出。モロー監督はその第2作目で、懐かしい名画にも似た感動を観客に与えた。
★上海家族 原題 假装没感覚 / 英題 Shanghai Women ポン・シャオレン(彭小蓮)監督/2002年/中国映画/中国語/96分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 繁栄を続ける現代の上海に生きる祖母、母、娘、三代のそれぞれの考え方を描くことにより、中国女性の置かれた状況と変わりつつある時代を活写した。
★十字路 英題 Crossroads 衣笠貞之助監督/1928年/日本映画/47分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★十字路/狂った一頁 衣笠貞之助監督は1982年2月26日、85歳でご逝去された。衣笠先生のご一生は、日本映画史を語ることと同じであるが、岩波ホールの歴史もまた、衣笠先生なしには考えられない。
★自由の幻想 原題 Le Fantôme de la liberté ルイス・ブニュエル監督/1974年/フランス映画/フランス語/104分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和
★「12か月の未来図」原題 Les Grand Esprits オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督/2017年/フランス映画/フランス語/107分/カラー/シネマスコープ
パリ郊外の移民、貧困、学力低下等の社会問題を、2年間学校生活を取材し、堅物教師と問題だらけの生徒たちのリアルな成長物語として見事に完成させた。
★12か月の未来図 原題 Les Grand Esprits オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル監督/2017年/フランス映画/フランス語/107分/カラー/シネマスコープ/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム パリ郊外の移民、貧困、学力低下等の社会問題を、2年間学校生活を取材し、堅物教師と問題だらけの生徒たちのリアルな成長物語として見事に完成させた。
★巡礼の約束 原題Ala Changso ソンタルジャ監督/2018年/中国/109分/シネマスコープ/配給:ムヴィオラ 病身ながらも、聖地ラサへ五体投地で巡礼をする妻とその家族。チベットが見せる峻烈な風景のもとで後悔や嫉妬を乗り越え残された者が絆を繋いでゆく。
★『巡礼の約束』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★少女デドゥナ 原題 Deduna ダヴィト・ジャネリゼ監督/1985年/ジョージア語/87分/カラー デドゥナとは「母の愛する娘」の意味。母を亡くし、山間の村で父と暮らす少女の質朴な日々の生活を静謐な映像のなかに映し出す。世界でプリントがドイツに1本あるだけの伝説的な作品。ジャネリゼ監督提供の劣化した作品素材をDCP化して特別上映。
★「少女は自転車にのって」原題 Wadjida
★少女は自転車にのって 原題 Wadjida ハイファ・アル=マンスール監督/2012年/サウジアラビア=ドイツ映画/アラビア語/97分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルバトロス・フィルム サウジアラビア初の女性監督作品。男の子と同様に自転車に乗ることを望む少女の奮闘がすがすがしく、未来の自由への希望を予感させ、観客の共感を得た。
★少女ムシェット 原題 Mouchette ロベール・ブレッソン監督/1967年/フランス映画/フランス語/80分/モノクロ/スタンダード/配給:コロネット・シネマ・アンテレクチュアル
★招待 ワンダ・ヤクボフスカ監督/1985年/ポーランド映画/ポーランド語/96分/カラー/配給:女たちの映画祭
★少年スサ 原題 Susa ルスダン・ピルヴェリ監督/2010年/ジョージア語/76分/カラー 貧しい家族を支えるためにウオッカの密売を手伝う少年の日々を描く。過酷な社会状況のなかで彼の母や父への純粋な思いが、澄み切った美しい瞳をとおして痛烈に伝わってくる。閉塞した社会や理不尽な大人たちへの少年の無言の怒りが胸を打つ作品。
★菖蒲 原題 Tatarak / 英題 Sweet rush アンジェイ・ワイダ監督/2009年/ポーランド映画/ポーランド語/87分/カラー/シネマスコープ/配給:紀伊国屋書店、メダリオンメディア ワイダ監督は原作の短編小説と、主演女優の実人生を重層的に描き出す。若さと老い、生と死を見つめる文芸作は監督の社会派以外の抒情的一面を見せる。
★ジョルダーニ家の人々 原題 Le cose che restano ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ監督/2010年/イタリア=フランス映画/イタリア語/399分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:チャイルド・フィルム、ツイン ローマに住む一家の苦悩と再生を通じて描かれる血縁を超えて構築される人間関係。6時間40分の超大作を見て観客は自分も家族の一員のように感じる。
★白樺の林 原題 Brzezina アンジェイ・ワイダ監督/1970年/ポーランド映画/ポーランド語/98分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 ワイダ監督のもう一つの貌。溢れる抒情に彩られた兄と弟の物語。不安にゆれる一枚の風景画のようなこの作品で、ワイダ監督はまた新しいファン層を獲得した。
★シリアにて 原題 INSYRIATED フィリップ・ヴァン・レウ監督/2017年/ベルギー・フランス・レバノン映画/アラビア語/カラー/ビスタサイズ/配給:ブロードウェイ
ダマスカスのアパートの一室に身を寄せる人たちの24時間密室劇。音と、人物たちの心理描写だけで、戦地の緊迫感と恐怖を描いた類をみない戦争映画。
★シリアの花嫁 英題 The Syrian Bride エラン・リクリス監督/2004年/イスラエル=フランス=ドイツ映画/アラビア語、ヘブライ語、英語、ロシア語、フランス語/97分/カラー/シネマスコープ/配給:シグロ、ビターズ・エンド 人生で最も幸せであるべき結婚式が家族との永遠の別れの日になるのか。占領下の境界線がもたらす不条理と世代による価値観の違いが見事に描き出された。
★白い馬の季節 英題 Season of The Horse ニンツァイ(寧才)監督/2005年/中国映画/モンゴル語/105分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ワコー、フォーカスピクチャーズ 内モンゴルの遊牧生活の破綻を描きながら地球温暖化、砂漠の拡大、都会と地方の格差等の問題が全世界共通であることを指摘、見る者の共感を呼んだ。
★シロタ家の20世紀 英題 The Shirota Family and the 20th century 藤原智子監督/2007年/日本映画/日本語、フランス語/92分/カラー/スタンダード/配給:「シロタ家の20世紀」上映委員会/ドキュメンタリー 藤原監督は、ナチスの迫害によってヨーロッパ、アジア、アメリカへ広がるベアテ・シロタ・ゴードンさんの一族を通して“戦争の20世紀”を描き出した。
★「真珠のボタン」2015年/フランス=チリ=スペイン映画/スペイン語/82分/カラー/ヴィスタヴィジョン〈パトリシオ・グスマン監督再上映〉
★真珠のボタン 原題 El botón de nácar パトリシオ・グスマン監督/2015年/フランス=チリ=スペイン映画/スペイン語/82分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アップリンク/ドキュメンタリー 宇宙と水のあまりにも美しい映像を介して暴かれる。チリの先住民や政治犯に対する為政者の残酷さ、時間と記憶を描き優れたドキュメンタリーとして結実。
★人生案内
★人生は琴の弦のように 原題 邊走邊唱/英題 Life on a String チェン・カイコー(陳凱歌)監督/1991年/中国映画/中国語/108分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画



★酔画仙 英題 Chihwaseon イム・グォンテク監督/2002年/韓国映画/韓国語/119分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:エスパース・サロウ 韓国の名匠イム・グォンテク監督が19世紀、朝鮮王朝末期に実在した放浪の水墨画家チャン・スンオプの生涯を描く。権威を嫌い自由を愛した姿が真に迫る。
★スヴァネティの塩 原題 Jim Shavante ミヘイル・カラトジシュヴィリ監督/1930年/サイレント/44分/白黒 無声映画時代を代表するドキュメンタリー。コーカサスのスヴァネティ地方、過酷な自然環境のなかで生きる人々の姿が四季を通じて映し出される。岩山での重労働、争い、貧富の差、出産等が描かれ、ブニュエルの「糧なき土地」に先んじる名作と評価される。
★杉の子たちの50年 藤原智子監督/1995年/日本映画/日本語/100分/カラー 戦時中、闘っていたのは兵士だけではない。疎開していた子どもたちも、飢え、いじめ、死の恐怖と戦っていた。平和の尊さは、繰返し語りつぐべき問題である。
★素晴しき放浪者 原題 Boudu sauvé des eaux ジャン・ルノワール監督/1932年/フランス映画/フランス語/84分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社



★聖週間 原題 Wielki Tydzień アンジェイ・ワイダ監督/1995年/ポーランド=ドイツ=フランス映画/ポーランド語/97分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:エース ピクチャーズ ナチス占領下のワルシャワ。ゲットーから逃れたユダヤ人女性と彼女をかくまうポーランド人夫妻の心の葛藤を緊張感あふれる映像で表現。静かな感動を呼んだ。
★西暦2015年 原題 A.D.2015 ハトゥナ・フンダゼ監督/2015年/ジョージア語/10分/カラー
★世界の夜明けから夕暮れまで[全5篇]英題 The World from Dawn till dusk(世界5都市で映画を学ぶ学生の作品)東京篇(40分)、ミンスク篇(39分)、北京篇(41分)、モスクワ篇(51分)、キエフ篇(44分)
★セラフィーヌの庭 原題 Séraphine マルタン・プロヴォスト監督/2008年/フランス=ベルギー=ドイツ映画/フランス語/126分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 20世紀前半のフランスに実在した知られざる素朴派の女性画家。その生涯を追って芸術家の魂と苦悩を描き、彼女の名を一躍日本で広めることとなった。



★宋家の三姉妹 英題 The Soong sisters メイベル・チャン(張婉婷)監督/1997年/香港=日本映画/中国語/145分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 岩波ホール創立30周年記念作品の掉尾を飾るこの作品は、伝説の三姉妹の根強い人気に支えられ、31週間のロングランを記録。さらに今期の再上映も決定した。
★宋家の三姉妹(再上映 1998年初公開)英題 The Soong sisters メイベル・チャン監督/1997年/香港=日本映画/中国語/145分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 中国の近代史を変え、世界史にも影響を与えた三姉妹の生涯は、再上映にもかかわらず、観客の圧倒的な支持を得た。
★草原の河 原題 河/英題 River ソンタルジャ監督/2015年/中国映画/チベット語/98分/ヴィスタサイズ/配給:ムヴィオラ 厳しく広大な自然の中で、牧畜を営む家族の三世代の心情を、少女の目を通して描く。チベット映画の第一世代の監督と当時6歳の主演の少女も話題になった。
★『草原の河』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★そしてAKIKOは… 〜あるダンサーの肖像〜 英題And Then Akiko is …A Portrait of aDancer 羽田澄子監督/2012年/日本映画/日本語/120分/カラー/ヴィスタヴィジョン/提供:自由工房 女性映画祭25回の歴史を締めくくったこの羽田作品は、芸術に生きた一人のダンサーの人生を総括。アキコカンダの名を永遠のものとし見る者の共感を得た。
★そして誰もいなくなった 原題 And Then There Were None ルネ・クレール監督/1945年/アメリカ映画/英語/97分/モノクロ/スタンダード/配給:IP
★曽根崎心中 英題 The Love Suicides at Sonezaki 栗崎碧監督/1981年/日本映画/日本語/87分/カラー/スタンダード/配給:栗崎事務所 近松門左衛門の名作文楽。自然の風景の中で演じる文楽の人形たち。女性監督ならではの大胆で画期的な試みに、多くの賛辞が寄せられた。



★大樹のうた 原題 Apur Sansar サタジット・レイ監督/1959年/インド映画/ベンガル語/105分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★大地と自由 原題 Land and Freedom ケン・ローチ監督/1995年/イギリス=スペイン=ドイツ映画/英語/110分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:エース ピクチャーズ、日本ヘラルド映画 1936年に勃発したスペイン内戦に理想を求めて参加した若者の姿を、現代に生きる孫娘の目を通して描き今の時代に警鐘を鳴らす。多くの観客の支持を得た。
★大地と白い雲 原題 白云之下 ワン・ルイ監督/2019年/中国映画/中国語・モンゴル語/111分/カラー/シネマスコープ/配給:ハーク
★「大地のうた」3部作 大河のうた サタジット・レイ監督/1956年/インド映画/ベンガル語/110分/モノクロ/スタンダード/配給:ATG
★「大地のうた」 3部作(再上映 1974年初公開)
1984年7月21日(土)~1984年9月28日(金)
★大都会 原題 Mahanagar サタジット・レイ監督/1963年/インド映画/ベンガル語/135分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★大理石の男 原題Człowiek z Marmuru アンジェイ・ワイダ監督/1977年/ポーランド映画/ポーランド語/161分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:日本ヘラルド映画 1980年夏のポーランドの大ストライキを予見したこの作品は、真の芸術家がもつ力の強さを観客に示した。
★「ダゲール街の人々」1975年/フランス映画/カラー/79分/フランス語〈アニエス・ヴァルダ傑作セレクション〉
★他人の家 原題 Shemtkhveviti paemnebi ルスダン・グルルジゼ監督/2016年/ジョージア語/103分/カラー アブハジア紛争の休戦後、戦争で家を失った家族が、山村の捨てられた家をあてがわれた。家には急いで避難した元の住人の痕跡が残っている。家族と隣に住む謎の女性たちとの交流をとおして、紛争が人々にもたらした禍根を幻想的な映像で描く作品。
★他人の手紙 原題 Cudze listy / 英題 Violated Letters マチェイ・ドルィガス監督/2010年/ポーランド映画/ポーランド語/56分/モノクロ/スタンダード/配給:アルバトロス・フィルム
★旅芸人の記録 原題 O Thiassos テオ・アンゲロプロス監督/1975年/ギリシャ映画/ギリシャ語/232分/カラー/スタンダード/配給:フランス映画社 世界の映画界に話題を投げかけたこのギリシャ映画の傑作は、1979年度の芸術祭大賞に決定。これでエキプ作品は3年連続して大賞を受賞することになった。
★達磨はなぜ東へ行ったのか 英題 Why has Bodhi-Dharma left for the East? ペ・ヨンギュン( 裵鏞均)監督/1989年/韓国映画/韓国語/137分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シネセゾン エキプ初の韓国映画。10週間の上映をほぼ満席で終了した。映画がもつ先入観を排し、自然と合体しつつ独自の世界を創造したペ監督の次回作が期待される。
★『タルロ』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★だれのものでもないチェレ 原題 Árvácska ラースロー・ラノーディ監督/1976年/ハンガリー映画/ハンガリー語/90分/カラー/スタンダード/配給:独立映画センター 薄幸の少女チェレを通して人間が生きることの意味をあらためて考えさせたこの作品は、国際児童年にふさわしい感動を人々に与えた。
★ダロウェイ夫人 原題 Mrs .Dalloway マルレーン・ゴリス監督/1997年/イギリス=オランダ映画/英語/97分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:日本ヘラルド映画 難解といわれたヴァージニア・ウルフ原作の美しい映像化に成功。ヴァネッサ・レッドグレイヴの好演もあって、ダロウェイ夫人の悩みに共感する女性観客が多かった。
★ダンサー 原題 Motsekvave サロメヤ・バウエル監督/2014年/ジョージア語、ロシア語/35分/カラー
★ダントン 原題 Danton アンジェイ・ワイダ監督/1982年/フランス=ポーランド映画/フランス語/136分/カラー/スタンダード/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 エキプ発足10周年記念作品の第1弾。ワイダ監督は、フランス革命をもう一つの側面から見つめることによって、ダントンとロベスピエールの宿命的対決をくっきり描き出すことに成功。7週間の上映期間では観客を収容しきれず、「エミタイ」終了後、4週間のアンコール上映を行った。



★痴呆性老人の世界 英題 How to Care for the Senile 羽田澄子監督/1986年/日本映画/日本語/84分/カラー/スタンダード/配給:岩波映画 痴呆性老人の心にふれ、決して失われることのない人間の尊厳をみつめた貴重なドキュメンタリー。羽田監督の大らかな作風が、人々に生きる勇気を与えた。
★チェスをする人 原題Shatranj ke Khilari サタジット・レイ監督/1977年/インド映画/ヒンディー語/121分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール サタジット・レイは、危うい国の運命も知らずにチェスにうつつを抜かす2人の貴族の姿を通してイギリス植民地政策を鋭く批判する。
★チェド 原題 Ceddo ウスマン・センベーヌ監督/1976年/セネガル映画/ウォロフ語/119分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール きわめて簡素で詩的な映像が作品の意図を明確に伝える。アフリカの人々の心がみる者の心にひびき、エキプ100本目にふさわしい傑作との声が高かった。
★父と暮せば(再上映 2004年初公開)黒木和雄監督/2004年/日本映画/日本語/99分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画
★父と暮せば 英題 The Face of Jizo 黒木和雄監督/2004年/日本映画/日本語/99分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画
★父と暮せば 英題 The Face of Jizo 黒木和雄監督/2004年/日本映画/日本語/99分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画 映画化を希望した黒木監督に原作者井上ひさし氏は快諾。非戦を誓う2人の熱い思いが結実した。新境地を開いた宮沢りえの演技に大きな称賛が集まった。
★チャルラータ 原題 Charulata サタジット・レイ監督/1964年/インド映画/ベンガル語/118分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★チュッ・ニャ・ディン 原題 Tjoet Nja’Dhien エロス・ジャロット監督/1988年/インドネシア映画/インドネシア語/109分/カラー/シネマスコープ/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 民族の独立不撓の魂を真正面から描ききったインドネシア映画の日本初公開。地味な作品に観客動員をあやぶむ声もあったが、主演のクリスチャン・ハキムの魅力もあいまって7週間ロードショーを大成功のうちに終えることができた。
★『チリの闘い』/1972‐79年/配給:アイ・ヴィー・シー
★沈黙の春を生きて 英題Living the Silent Spring 坂田雅子監督/2011年/日本映画/日本語、英語、ベトナム語/87分/カラー/配給:シグロ/ドキュメンタリー 化学物質は放射能同様、生物にとって悪影響がある。50年前のレイチェル・カーソンの言葉が現実となった今、枯葉剤被害者の問題を再び提起し話題を呼んだ。



★抵抗 死刑囚の手記より 原題 Un condamné à mort s’est échappé ou Le vent souffle où il veut ロベール・ブレッソン監督/1956年/フランス映画/フランス語/97分/モノクロ/スタンダード/配給:クレストインターナショナル
★敵 原題 Düşman ユルマズ・ギュネイ監督/1979年/トルコ映画/トルコ語/125分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール
★デデの愛 原題 Dede マリアム・ハチヴァニ監督/2016年/スヴァン語、ジョージア語/97分/カラー 1992年、コーカサスの峻険な山々に囲まれた村で、デデの挙式が行われようとしていた。しかし彼女は夫となる男の親友と愛しあっていた。村の定めた結婚に抗い、彼女は愛を貫くことを決心する。雄大な自然のなか、因習と闘う女性を描く感動の物語。
★田園詩 原題 Pastorali オタール・イオセリアーニ監督/1976年/グルジア映画/グルジア語/98分/モノクロ/スタンダード/配給:日本海映画 都会から来た音楽家たちと、田園に住む村人たちの生活が淡々と描写される。この作品を見ると、現代の我々の生活がいかに文明に毒されているかを痛感する。
★田園の守り人たち 原題 Les Gardiennes グザヴィエ・ボーヴォワ監督/2017年/フランス=スイス映画/フランス語/135分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム 第一次世界大戦下、銃後で農場を守る女たちを軸に、ミレーの絵画を彷彿とさせる映像美で、農業の近代化とともに、戦争の矛盾と悲劇を伝えた。
★伝説の舞姫 崔承喜(チェスンヒ)—金梅子(キムメジャ)が追う民族の心 英題 Choi Seung-Hee and Kim Mae-Ja 藤原智子監督/2000年/日本映画/日本語/90分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール 現代韓国舞踊の第一人者が戦前世界的に活躍した朝鮮舞踊家の足跡を追う。上映直前に偶然、南北首脳会談が実現した。



★ドイツ・青ざめた母 原題 Deutschland Bleiche Mutter ヘルマ・サンダース=ブラームス監督/1980年/西ドイツ映画/ドイツ語/124分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映インターナショナル 戦争が弱者に及ぼす影響の無残さを描いて、女性にも男性にも深い感動を与えたこの作品は、上映期間を急遽延長するほどの成功を収めた。キャンペーンで来日した美しくも力強いブラームス監督の次回作が期待される。
★TOMORROW/明日 英題 Tomorrow 黒木和雄監督/1988年/日本映画/日本語/105分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 1945年8月9日、長崎に原爆が投下される前日から投下直前まで、心やさしい人々の生活を淡々と描いた黒木監督の秀作。その描き方と、私たちの“明日”への問題定義が、観客の一人一人に人間の生命の尊さを強く訴えた。近年日本映画の収穫との声が高い。
★TOMORROW/明日(再上映 1988年初公開)黒木和雄監督/1988年/日本映画/日本語/105分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東京シネマ倶楽部
★とうもろこしの島 原題Simindis Kundzuli/英題Corn Island ギオルギ・オヴァシュヴィリ監督/2014年/ジョージア、ドイツ、フランス、チェコ、カザフスタン、ハンガリー映画/100分/カラー/アブハズ語、ジョージア語、ロシア語/シネマスコープ/配給:ハーク 1992年におきたアブハジア紛争を異なる視点で描いた2作。シンプルな作風が戦争の愚かさ、不条理を際立たせる。
★遠い道 原題 Sadgati サタジット・レイ監督/1981年/インド/ヒンドゥー語/50分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 インド社会の階級制の矛盾に真正面から取り組んだレイ監督の問題作。昼は「ファニーとアレクサンデル」、夜はレイ作品というプログラムが、多くの観客の称賛を受けた。
★遠い雷鳴 原題 Ashani Sanket サタジット・レイ監督/1973年/インド映画/ベンガル語/101分/カラー/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★トロイアの女 原題 The Trojan Women マイケル・カコヤニス監督/1971年/アメリカ映画/英語/111分/カラー/スタンダード/配給:IP



★ナイルのほとりの物語 原題 Shey min al Khof フセイン・カマール監督/1970年/エジプト映画/アラビア語/113分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★夏をゆく人々 原題 Le Meraviglie / 英題 The Wonders アリーチェ・ロルヴァケル監督/2014年/イタリア=スイス=ドイツ映画/イタリア語、ドイツ語/111分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ハーク 養蜂を営む一家のひと夏を長女の視点で描く。理想と現実、美への憧れ、父親との葛藤・・・女性監督自身の思い出に観客はファンタジックな共感を覚える。
★ナポリの隣人 原題 La Tenerezza ジャンニ・アメリオ監督/2017年/イタリア映画/イタリア語/108分/カラー/シネマスコープ/配給:ザジフィルムズ 元弁護士で気難しい老人の隣に越してきた家族、そして起こる悲惨な事件。現代人が抱えた複雑な心の闇や他者との隔たりを繊細に表現し、現代を映し出す。



★虹をかける子どもたち 英題Love Can Make a Rainbow 宮城まり子監督/1980年/日本映画/日本語/86分/カラー/スタンダード/配給:ATG ねむの木の小さい画家たちの絵をスクリーン一杯に拡げたこの美しい作品の完成まぎわに、宮城まり子監督は病をえ、車椅子の上から初日の挨拶を行なった。
★ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス 原題 Ex Libris – The New York Public Library フレデリック・ワイズマン監督/2016年/アメリカ映画/英語/205分/カラー/ビスタサイズ/協賛:図書館流通センター/後援:アメリカ大使館/協力:日本図書館協会/配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ ドキュメンタリーの巨匠が捉えたNY公共図書館の多岐にわたるサービスと関わる者たちの真剣な取り組みの姿勢、長尺にも関わらず連日大変な盛況となった。
★乳泉村の子 原題 清涼寺鐘聲 / 英題 The Bell of the Qing Liang Temple シェ・チン(謝晋)監督/1991年/中国=香港映画/中国語/121分/カラー/シネマスコープ/配給:東和プロモーション 残留孤児の成長と心の軌跡を描いたこの作品で、観客は中国人養母の国境を越えた愛情に初めて触れた。ハンカチを配るべきだという声が上がった程の感動作。



★ねむの木の詩 宮城まり子監督/1974年/日本映画/日本語/90分/カラー/スタンダード/配給:ATG
★ねむの木の詩がきこえる 英題 Mariko-Mother 宮城まり子監督/1977年/日本映画/日本語/95分/カラー/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ=東宝東和
★眠る男 英題 Sleeping Man 小栗康平監督/1996年/日本映画/日本語/103分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:SPACE 自治体が製作する初の劇映画ということで注目を集めたが、眠り続ける男を主人公にすえたこの静かな映画の、半年間にわたるロードショーは成功裡に終了、見る者に深い感銘と思索の機会を与えた。



★ノン、あるいは支配の空しい栄光 原題 ’Non’, ou A Vã Glória de Mandar マノエル・ド・オリヴェイラ監督/1990年/ポルトガル=フランス=スペイン映画/ポルトガル語/112分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン



★パーフェクト サークル 原題 Savrseni krug アデミル・ケノヴィッチ監督/1997年/ボスニア・ヘルツェゴヴィナ=フランス映画/ボスニア語/108分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映 ボスニア内戦は民族・宗教戦争とされたが、現実にはサラエヴォに残された人々は互いに分け隔てなく助け合っていた。現代の戦争を描いて感動をよんだ。
★爆心 長崎の空 英題 Under the Nagasaki Sky 日向寺太郎監督/2013年/日本映画/日本語/98分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画
★はじまりの街 原題 LA VITA POSSIBILE/英題 A POSSIBLE LIFE イヴァーノ・デ・マッテオ監督/2016年/イタリア=フランス映画/イタリア語/107分/5.1ch/シネマスコープ/配給:クレストインターナショナル 夫のDVから逃げ友を頼りトリノへ移り住む親子の再生の物語。思春期の少年の成長と人生の再出発を描き、イタリアが誇る二大女優の競演が話題となった。
★八月の鯨(再上映 1988年初公開)原題 The Whales of August リンゼイ・アンダーソン監督/1987年/アメリカ映画/英語/91分/カラー/スタンダード/配給:アルシネテラン ホール創立45周年を記念して25年ぶりに再上映した伝説のヒット作。歳月を経、人生を重ねて見直すことで新たな発見があったという観客の声が多かった。
★八月の鯨 原題 The Whales of August リンゼイ・アンダーソン監督/1987年/イギリス映画/英語/91分/カラー/スタンダード/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 高齢化時代を迎えた日本で、今もっとも関心あるテーマを描いたこの作品は、31週で14万人を動員。エキプ最高のヒット作となった。このヒットによりリリアン・ギッシュから感謝状が届き、スタッフ一同感激。
★パッション・フィッシュ 原題 Passion Fish ジョン・セイルズ監督/1992年/アメリカ映画/英語/135分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映 共に都会を追われた2人の女性が、ルイジアナの豊かな自然に包まれながら、支えあい、自立して生きてゆく姿を描いて観客の共感を呼んだ。
★花咲くころ 原題 In Bloom ナナ・エクフティミシュヴィリ監督・ジモン・グロス監督/2013年/ジョージア(グルジア)=ドイツ=フランス映画/ジョージア語/102分/シネマスコープ/配給:パンドラ/後援:在日ジョージア大使館 1992年、まだきな臭さの残るトビリシで、逞しく生きる少女たちの強さと煌めきを、30代女性監督が自身の経験をもとに描くグルジア映画新世代の注目作。
★花はどこへいった 英題 Agent Orange – A Personal requiem 坂田雅子監督/2007年/日本映画/日本語、英語、ベトナム語/71分/カラー/配給:シグロ/ドキュメンタリー 戦場カメラマンの夫の早い死を悼む妻がその死の原因をベトナムで追究。枯葉剤が今も影響し続け住民を苦しめる様子を優れたドキュメンタリーに結実させた。
★母たちの村 原題 Moolaadé ウスマン・センベーヌ監督/2004年/フランス=セネガル映画/マンディンゴ語/124分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 現在もアフリカの一部の国に残る女性性器切除の風習。悪習を断つため立ち上がる1人の母親の姿を、女性を尊ぶセンベーヌ監督が気高く描き、観客の共感を得た。
★母のいる場所 英題 Where Mom Is 槙坪夛鶴子監督/2003年/日本映画/日本語/116分/カラー/スタンダード/配給:企画制作パオ/ドキュメンタリー
★パパは,出張中! 原題 Otac na Sluzbenom Putu エミール・クストリッツァ監督/1985年/ユーゴスラヴィア映画/セルボ・クロアチア語/136分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 政治の波にもまれながら人々は泣き、笑い、歌う。6歳のマリクの目を通して描かれたユーゴスラヴィアの夜明け。1986年ナンバーワン作品の声が高い。
★「パプーシャの黒い瞳」原題 Papusza ヨアンナ・コス=クラウゼ&クシシュトフ・クラウゼ監督/2013年/ポーランド映画/ロマニ語、ポーランド語/131分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン 書き文字を持たないジプシーの女性が文字と言葉に魅せられ、民族内部からも迫害を受けながら思いを全うする。美しいモノクロ映像が見る者の涙を誘う。
★パプーシャの黒い瞳 原題 Papusza ヨアンナ・コス=クラウゼ&クシシュトフ・クラウゼ監督/2013年/ポーランド映画/ロマニ語、ポーランド語/131分/モノクロ/ヴィスタヴィジョン/配給:ムヴィオラ 書き文字を持たないジプシーの女性が文字と言葉に魅せられ、民族内部からも迫害を受けながら思いを全うする。美しいモノクロ映像が見る者の涙を誘う。
★早池峰の賦(再上映 1982年初公開)英題 Ode to Mt.Hayachine 羽田澄子監督/1982年/日本映画/日本語/186分/カラー/スタンダード/配給:自由工房/ドキュメンタリー
★早池峰の賦 英題 Ode to Mt.Hayachine 羽田澄子監督/1982年/日本映画/日本語/185分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール/ドキュメンタリー 早池峰山麓の小さな町に生きる人々の生活を静かに描いて、圧倒的支持を受けた。観客の要望に応えての1ヶ月後のアンコール上映は前例のないことである。
★「パラダイス・ナウ」2005年/フランス=ドイツ=オランダ=パレスチナ映画/アラビア語/90分/カラー
★パリ20区,僕たちのクラス 原題 Entre les murs ローラン・カンテ監督/2008年/フランス映画/フランス語ほか/128分/カラー/シネマスコープ/配給:東京テアトル 中学校の教師と生徒の関係には世界共通の悩みと喜びがあることを生き生きと描写し、カンヌ最高賞を受賞。日本でも若い観客を中心に共感と賞賛を得た。
★遙かなるふるさと 旅順・大連 英題Far-Away Home : Lushun and Dailian 羽田澄子監督/2011年/日本映画/日本語/110分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:自由工房/ドキュメンタリー 旧満州に生まれ育った羽田監督が、初めて外国人に解放された故郷旅順と大連を訪れる。幼い頃気づかずにいた日本の中国侵略を思い改めて日中友好を訴えた。
★ハローキッズ ! 英題 Hello Kids ! 宮城まり子監督/1986年/日本映画/日本語/99分/カラー/スタンダード/配給:アトリエまり子 ハーレムの少年との交流を通して、ねむの木の子どもたちは今度はダンスに挑戦する。本当の愛とは、教育とは、優しさとはを問い続ける宮城監督の第4作。
★パン・タデウシュ物語 原題 Pan Tadeusz アンジェイ・ワイダ監督/1999年/ポーランド=フランス映画/ポーランド語/154分/カラー/シネマスコープ/配給:アスミック・エース ミツキエヴィチの長編叙事詩を映画化したワイダ監督は、二家族の対立とタデウシュの恋を通して民族のアイデンティティーを回復し、未来への希望を描いた。
★ハンナ・アーレント 原題 Hannah Arendt マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/2012年/ドイツ=ルクセンブルク=フランス映画/ドイツ語、英語/114分/カラー、モノクロ/シネマスコープ/配給:セテラ・インターナショナル 戦犯アイヒマンの非道を無思考の役人的発想と喝破し警鐘を鳴らしたユダヤ人哲学者アーレント。現代に通じる問題提起に共鳴した人々で大ヒットとなった。



★光のノスタルジア 原題 Nostalgia de la Luz パトリシオ・グスマン監督/2010年/フランス=ドイツ=チリ映画/スペイン語、英語/90分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アップリンク/ドキュメンタリー
★『光のノスタルジア』『真珠のボタン』併映
★「光のノスタルジア」2010年/フランス=ドイツ=チリ映画/スペイン語、英語/90分/カラー/ヴィスタヴィジョン〈パトリシオ・グスマン監督再上映〉
★ピクー 原題 Pikoo サタジット・レイ監督/1981年/インド/ベンガル語/26分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 両親の確執、母と愛人の情事のもつれ、祖父の急死。完璧な台本と完璧な演出で描く少年ピクーの1日。レイ監督がテレビ用に作った珠玉の短編である。
★ピクニック 原題 Partie de Campagne ジャン・ルノワール監督/1936年/フランス映画/フランス語/40分/モノクロ/スタンダード/配給:フランス映画社
★『陽に灼けた道』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★陽の当たる町 原題 Mzis kalaki ラティ・オネリ監督/2017年/ジョージア語/103分/カラー 西ジョージアのチアトゥラ。ソ連時代は鉱山で大いに栄え、後にアメリカの億万長者が理想の町を作ろうと大改造を試みたが、現在はゴーストタウンのようになっている。寂れた町に居残る音楽教師、劇団員たちの生活や夢を描いた傑作ドキュメンタリー。
★火の山のマリア 原題 Ixcanul/英題Volcano ハイロ・ブスタマンテ監督/2015年/グアテマラ=フランス映画/スペイン語、カクチケル語/93分/カラー/シネマスコープ/配給:エスパース・サロウ グアテマラの伝統文化と現代文明の狭間で、自ら選んだ幸せのために闘う先住民の少女。ドキュメンタリーのような現実感でマヤ系住民の社会問題を告発。
★ヒブラ村 原題 Khibula ギオルギ・オヴァシュヴィリ監督/2017年/ジョージア語、ロシア語/99分/カラー 1991年、圧倒的な支持で初代大統領となったガムサフルディアは、反対派との内戦後、チェチェンに亡命、1993年に蜂起して失敗する。彼の雪深い山中の逃避行をとおして、この国を揺るがした事件を人々に再び喚起し、権力者と民衆の関係を静謐な映像で描く。
★白夜 原題 Quatre nuits d’un rêveur ロベール・ブレッソン監督/1971年/フランス=イタリア映画/フランス語/83分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:フランス映画社
★氷海の伝説 英題 Atanarjuat, The Fast Runner ザカリアス・クヌク監督/2001年/カナダ映画/イヌイット語/172分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン イヌイットの監督により世界で初めてイヌイットの伝説が映像化された。失われつつある彼らの個有の文化が見事に描かれ、見る者に静かな感動を与えた。
★ひろしま 石内都・遺されたものたち 英題 Things Left Behind リンダ・ホーグランド監督/2012年/日本・アメリカ映画/日本語、英語/80分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:NHKエンタープライズ/ドキュメンタリー
★ヒロシマナガサキ(再上映 2007年初公開)原題 White Light/Black Rain スティーヴン・オカザキ監督/2007年/アメリカ映画/日本語、英語/86分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シグロ、ザジフィルムズ/ドキュメンタリー
★ヒロシマナガサキ 原題 White Light/Black Rain スティーヴン・オカザキ監督/2007年/アメリカ映画/日本語、英語、韓国語/86分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シグロ、ザジフィルムズ 被爆者の証言を中心に新たな資料も加えて構成。全米ケーブルTVで1ヶ月間繰返し放映。終わりのない放射能被害を知らずにいる人々に大きな衝撃を与えた。
★ピロスマニ 原題 Pirosmani ゲオルギ・シェンゲラーヤ監督/1969年/グルジア(ソビエト)映画/ロシア語/87分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画



★ブータン 山の教室 英題  Lunana A Yak in the Classroom パオ・チョニン・ドルジ監督/2019年/ブータン映画/ゾンカ語・英語/110分/カラー/シネマスコープ/配給:ドマ
★ファニーとアレクサンデル 原題 Fanny och Alexander イングマール・ベルイマン監督/1982年/スウェーデン=フランス=西ドイツ合作映画/スウェーデン語/311分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 少年と少女の眼を通して見る大人の世界とは。5時間11分の長時間を一気に見せて、ベルイマン監督の実力をまざまざと思わせた夏休みの話題作。20週の上映。
★ファニーとアレクサンデル 原題 Dokument, Fanny och Alexander イングマール・ベルイマン監督/1986年/スウェーデン映画/スウェーデン語/110分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和
★フィオナの海 原題 The Secret of Roan Inish ジョン・セイルズ監督/1994年/アメリカ映画/英語/103分/カラー/配給:大映 アイルランドの妖精伝説と現代の生活が不思議な形で融け合った。技術文明の発達によって、自然の営みが暮らしとかけ離れてしまった日本人の心になつかしさを呼びさまし、広く受け入れられた。
★フェリーニの道化師 原題 I Clowns フェデリコ・フェリーニ監督/1970年/イタリア映画/イタリア語/91分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和
★二人日和 英題 Turn Over 野村惠一監督/2005年/日本映画/日本語/111分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パンドラ 永年連れ添い苦労をかけた妻がALSを発症。夫は家業を閉じて看護する。ALSになったスタッフのために京都の映画人が総力を挙げて製作し大ヒットした。
★葡萄畑に帰ろう 原題 The Chair エルダル・シェンゲラヤ監督/2017年/ジョージア映画/99分/ジョージア語/カラー/配給:クレストインターナショナル、ムヴィオラ
ジョージア映画界の最長老監督が、自身の政界での経験をもとに、権力者社会を痛烈に風刺し、ユーモア溢れる軽妙洒脱な人生賛歌に仕立てた。
★冬の小鳥 原題 Une vie toute neuve ウニー・ルコント監督/2009年/韓国=フランス映画/韓国語/92分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:クレストインターナショナル 自分はなぜ愛する父に捨てられたのか。9歳の少女が体験する理不尽な戸惑いと悲しみが見る者の涙を誘う。毅然として運命を受け入れる少女の瞳が美しい。
★冬の光 原題 Nattvardsgästerna イングマール・ベルイマン監督/1962年/スウェーデン/スウェーデン語/100分/モノクロ/スタンダード/配給:IP
★芙蓉鎮 英題 Hibiscus Town シェ・チン(謝晋)監督/1987年/中国映画/中国語/165分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 岩波ホール初の中国映画。巨匠、謝晋監督が、文革時代を逞しく生きぬく庶民の姿を描ききって、中国近年の大ヒットとなったこの作品は、日本でも幅広い層の観客に深い感銘を与え、20週間という長期上映に大成功を収めた。主演の劉暁慶の来日も話題となった。
★ブラインド・デート 原題 Shemtkhveviti paemnebi レヴァン・コグアシュヴィリ監督/2013年/ジョージア語/98分/カラー 40歳の独身教師の男が主人公。彼は両親から結婚をせかされている。ある日、彼は生徒の母親に好意をもつが、彼女には服役中の夫がいた。その夫は出所するとさっそく詐欺を働き、主人公も騒動に巻き込まれてゆく。現代ジョージアのヒューマンコメディ。
★BLACK& WHITE IN COLOR 原題 La Victoire en Chantant ジャン・ジャック・アノー監督/1977年/コート・ジボワール=フランス映画/フランス語/92分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和
★プロビデンス 原題 Providence アラン・レネ監督/1977年/フランス=イギリス映画/英語/107分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 近年フランス映画の最高傑作といわれるアラン・レネのこの新作は、難解なアンチシネマにもかかわらず、日本においても幅広い観客層の支持をえた。



★ベアテの贈りもの 英題 The Gift from Beate 藤原智子監督/2004年/日本映画/日本語/92分/カラー/スタンダード 日本国憲法第14条に人権、第24条に男女平等の項を加え、戦後日本女性の地位向上に貢献したアメリカ人女性の半生を描いた資料的にも貴重なドキュメンタリー。
★ペトルーニャに祝福を 英題 Got Exists, Her Name Is Petrunya テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督/2019年/北マケドニア映画/マケドニア語/110分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム



★ポー川のひかり 原題 Cento Chiodi エルマンノ・オルミ監督/2006年/イタリア映画/イタリア語/94分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:クレストインターナショナル 真実は書物ではなく人生の中にある。「木靴の樹」以来30年ぶりにエキプ公開のオルミ監督、その現代文明批判は幅広い観客の共感を呼んだ。
★放浪の画家 ピロスマニ 原題 Pirosmani ギオルギ・シェンゲラヤ監督/1969年/ジョージア語、ロシア語/87分/カラー ジョージアの独学の天才画家ニコ・ピロスマニ(1862~1918)は、トビリシで日々のパンや酒と引き換えに、店に飾る絵や看板を描き続け、孤独のうちに亡くなった。彼の後半生を崇敬の思いをこめて描き、ジョージア人の民族の心を映像化した作品。
★放浪の画家ピロスマニ(再上映 1978年初公開)原題 Pirosmani ギオルギ・シェンゲラヤ監督/1969年/ジョージア(グルジア)映画/ジョージア語/87分/カラー/スタンダード/配給:パイオニア映画シネマデスク 1978年に岩波ホールで初公開し、当時の観客に鮮烈な印象を残したグルジアの孤高の画家の半生。37年を隔てグルジア語版での再上映は更に新たな発見を伴った。※1978年公開の「ピロスマニ」より改題。
★ぼくのいる街 黒木和雄監督/1989年/日本映画/日本語/22分/カラー/スタンダード/提供:平和博物館を創る会
★ホセ・リサール 原題 José Rizal マリルー・ディアス=アバヤ監督/1998年/フィリピン映画/フィリピン語/178分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール フィリピン独立運動の精神的支柱であったホセ・リサール。志半ばで倒れたその高潔な生涯は観客に深い感動を与えた。
★火垂るの墓 英題 Grave of the Fireflies 日向寺太郎監督/2008年/日本映画/日本語/100分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画 野坂昭如氏の悲痛な原作をデビュー2作目の日向寺監督が実写映像化。師黒木和雄監督の非戦の遺志を、戦争を体験していない世代が受け継いだ。
★炎の一族 原題 Tanase Scatiu ダン・ピッツア監督/1975年/ルーマニア映画/ルーマニア語/124分/カラー/スタンダード/配給:IP
★炎のマリア 原題 Koziat Rog メトーディ・アンドーノフ監督/1972年/ブルガリア映画/ブルガリア語/99分/モノクロ/シネマスコープ/配給:三陽商事
★微笑んで 原題 Gaifhmet ルスダン・チコニア監督/2012年/ジョージア語/92分/カラー テレビショー〈ジョージアの母〉コンテストで、さまざまな境遇におかれた母親たちが、優勝賞金を得るために競い合う日々を描き、男性社会の俗悪さ、現代社会の空虚さが浮き彫りにされる。それぞれの女性が困難な人生を懸命に生きる姿が胸を打つ。



★枕の上の葉 原題 Daun Di Atas Bantal /英題 Leaf on a Pillow ガリン・ヌグロホ監督/1998年/インドネシア映画/インドネシア語/83分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:岩波ホール ジョグジャカルタのストリートチルドレンと、彼らが母と慕う女性の交流を描くC・ハキム製作・主演のこの作品は、子どもたちの過酷な現実を知らしめた。感動に立ち尽す観客の姿が印象的だった。
★魔術師 原題 Ansiktet イングマール・ベルイマン監督/1958年/スウェーデン映画/スウェーデン語/99分/モノクロ/スタンダード/配給:IP
★マルクス・エンゲルス 原題 The Young Karl Marx ラウル・ペック監督/2017年/フランス・ドイツ・ベルギー映画/フランス語・ドイツ語・英語/118分/スコープサイズ/カラー/配給:ハーク 歴史を動かした二人の出会いから、「共産党宣言」が誕生するまでの彼らの活躍を描き、往年のマルクスファンから若年層までが押し寄せ大ヒットとなった。
★マルチニックの少年 原題 Rue Cases Nègres ユーザン・パルシー監督/1983年/フランス映画/フランス語/106分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース ジョゼの澄んだ瞳が、故郷アフリカの魂をとく老人たちの心を真直に受け入れる。そのすがすがしい少年の姿が共感をよび、忘れられない名作となった。



★みかんの丘 原題Mandarinebi/英題Tangerines ザザ・ウルシャゼ監督/2013年/エストニア、ジョージア映画/ロシア語、エストニア語/87分/カラー/シネマスコープ /配給:ハーク
★ミシシッピー・マサラ 原題 Mississippi Masala ミーラー・ナーイル監督/1991年/アメリカ映画/英語/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ケイエスエス
★見知らぬ人 原題 Agantuk/英題 The Stranger サタジット・レイ監督/1991年/インド映画/ベンガル語/121分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 西欧文明が氾濫するインド社会を憂え、人間を信じることの重要性をといて、観客の共感を得た。エキプ14本目のサタジット・レイ作品であり、遺作である。
★密告の砦 原題 Szegénylegények ミクローシュ・ヤンチョー監督/1966年/ハンガリー映画/ハンガリー語/91分/モノクロ/アガスコープ/配給:フランス映画社
★みつばちの大地 英題 More Than Honey マークス・イムホーフ監督/2012年/ドイツ=オーストリア=スイス映画/ドイツ語、英語、中国語/91分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シグロ/ドキュメンタリー 地球規模で姿を消しつつあるみつばち。監督が世界中を旅して実情と原因を取材した傑作ドキュメンタリー。その驚くべき撮影技術が大きな話題を呼んだ。
★緑色の部屋 原題 La Chambre Verte フランソワ・トリュフォー監督/1978年/フランス映画/フランス語/94分/カラー/スタンダード/配給:東宝東和 監督自身一番好きだというこの作品は亡き妻への記憶に生き続ける主人公を描き、その美しい映像が印象的であった。
★緑はよみがえる 原題 Torneranno i Prati エルマンノ・オルミ監督/2014年/イタリア映画/イタリア語/76分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:チャイルド・フィルム、ムヴィオラ オルミ監督最新作。実際に第一次大戦に従軍した監督の父の体験と思いが雪のアルプス山中の若い兵士を通して痛切に描写され、戦争の空しさを訴え続ける。
★ミドルマン 原題 Jana-Aranya サタジット・レイ監督/1975年/インド映画/ベンガル語/134分/モノクロ/スタンダード/配給:エキプ・ド・シネマ
★皆さま、ごきげんよう 原題 Chant D’hiver オタール・イオセリアーニ監督/2015年/フランス=ジョージア(グルジア)映画/フランス語/121分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ビターズ・エンド 中世から現代までを舞台に、戦争、略奪、悪事を繰り返す人間たちの愚かな姿と、それでも強く生きる姿を描く。80歳を超えた監督の軽やかな感性が光る。
★ミンヨン 倍音の法則 英題 Harmonics Minyoung 佐々木昭一郎監督/2014年/日本映画/日本語、英語、韓国語/140分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:シグロ 伝説のTV演出家佐々木昭一郎の20年ぶりの新作で初の劇場作品。主演のミンヨンと監督の両親を通して音楽の魅力と反戦を描き現代社会に問題を提起した。



★ムアンとリット 原題 Amdaeng Muen Kab Nai Rid チャート・ソンスィー監督/1994年/タイ映画/タイ語/129分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映 1800年代、“男は人間、女は水牛”が当然とされていたタイ。自らの愛を貫くことによって因襲を変えていったムアンの姿は、多くの女性たちの共感を呼んだ。
★無人の野 原題 Cánh đồng hoang グェン・ホン・セン監督/1980年/ベトナム映画/ベトナム語/95分/モノクロ/スタンダード/配給:「無人の野」普及委員会 日本で上映された初の解放後のベトナム映画。戦いのさ中に繰り広げられる親子の美しい情愛を描き、限りない示唆に富む名作として、観客に深い感動を与えた。
★娘よ 原題 DUKHTAR /英題 DAUGHTER アフィア・ナサニエル監督/2014年/パキスタン=米国=ノルウェー映画/93分/配給:パンドラ パキスタン映画の日本初公開。実話を元に娘を守るために因習と闘う母を、同国の女性監督が現実を見つめ、未来に希望をたくす上質な娯楽映画に仕上げた。
★群れ 原題 Sürü ユルマズ・ギュネイ監督/1978年/トルコ映画/トルコ語/122分/カラー/スタンダード/配給:岩波ホール



★メイダン 世界のへそ 原題 Meidani-Samkaros chipi ダヴィト・ジャネリゼ監督/2004年/ジョージア語、アルメニア語、ほか/52分/カラー 今日の再開発で失われたトビリシ中心にあった多民族のコミュニティーを描く。
★メキシコ万歳 原題 Que Viva Mexico! セルゲイ・エイゼンシュテイン監督/1979年/ソビエト映画/ロシア語/86分/モノクロ/スタンダード/配給:日本海映画 幻の名画として長く上映が待たれていたこの作品の公開は、エイゼンシュテインの名を改めて人々に思い起こさせた。
★めぐりあう日 原題Je vous souhaite d’être follement aimée/英題 Looking for her ウニー・ルコント監督/2015年/フランス映画/フランス語/104分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:クレストインターナショナル 韓国に生まれフランス人家庭の養子となった監督。今作は主人公が実母を探す過程で現代ヨーロッパの移民問題にも眼を広げ、静かな感動を呼んだ。



★モアナ 南海の歓喜 原題 MOANA with Sound ロバート・フラハティ監督、フランシス・フラハティ監督、モニカ・フラハティ監督/1926年、1980年(サウンド版)、2014年(デジタル復元版)/アメリカ映画/98分/スタンダード/サモワ語/モノクロ/モノラル/配給:グループ現代 協賛:福岡アジア文化センター/後援:日本オセアニア学会/宣伝:スリーピン ドキュメンタリー映画の始祖ロバート・フラハティがカメラに収めた南の島の暮らし。無声だった作品に1980年、娘のモニカ・フラハティ監督が現地の人々による本物の音や会話、民謡を録音し付け加えた。更に2014年に施された最新のデジタル技術により生まれ変わった。
★モリエール 原題 Molière アリアーヌ・ムヌーシュキン監督/1978年/フランス=イタリア映画/フランス語/235分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 待望久しいフランス映画の大作が観客を大動員。フランス太陽劇団のムヌーシュキンが脚本・監督、クロード・ルルーシュ製作で映画化した。来日したムヌーシュキン監督の暖かく力強い人柄が人々を魅了した。
★森の中の淑女たち(再上映 1993年初公開)原題 The Company of Strangers シンシア・スコット監督/1990年/カナダ映画/英語/101分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パンドラ
★森の中の淑女たち 原題 The Company of Strangers シンシア・スコット監督/1990年/カナダ映画/英語/101分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:大映 初めて映画に出演した老女たちが起こした“映画の軌跡”。観客に生きることの勇気と励ましを与えて、「八月の鯨」につぐ大ヒットとなった。94年再上映決定。
★森の中の淑女たち(再上映 1993年初公開) 大好評に応えてのアンコール上映。カナダの森の中で迷子になった7人の老女たちは、相変わらず楽しく語らいながら、それぞれの人生の重みを教えてくれた。
★モルエラニの霧の中 坪川拓史監督/2020年/日本映画/日本語/214分/カラー・モノクロ/ビスタサイズ/配給:ティーアーティスト



★やがて来たる者へ 原題 L’uomo che verrà ジョルジョ・ディリッティ監督/2009年/イタリア映画/イタリア語/117分/カラー/シネマスコープ/配給:アルシネテラン 第2次世界大戦末期イタリアの山村で起きたナチスによる民間人大量虐殺。同様の悲劇は今も世界のどこかで起きているという監督の訴えを観客は重く受け止めた。
★約束の土地 原題 Ziemia Obiecana アンジェイ・ワイダ監督/1975年/ポーランド映画/ポーランド語/172分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:日本ヘラルド映画 ここには資本主義勃興期のポーランドを舞台に「大理石の男」「鉄の男」へと続くポーランド民衆の底力がひしひしと感じられた。
★約束の旅路 原題 Va, vis et deviens ラデュ・ミヘイレアニュ監督/2005年/フランス映画/フランス語、ヘブライ語、アムハラ語/149分/カラー/シネマスコープ/配給:カフェグルーヴ、ムヴィオラ アイデンティティに悩みながら“4人の母”に見守られて成長する少年。難民キャンプに井戸を掘るための、初の試みであるブログ基金も話題となった。
★山中常盤 英題 In To The Picture Scroll -The Tale of Yamanaka Tokiwa 羽田澄子監督/2004年/日本映画/日本語/100分/カラー/スタンダード/配給:自由工房/ドキュメンタリー
★山猫 原題 Il Gattopardo ルキノ・ヴィスコンティ監督/1963年/イタリア=フランス映画/イタリア語/186分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 ヴィスコンティ監督の再評価が高まる中で、貴族社会の壮麗な落日を描いたこの作品もまた、巨匠ヴィスコンティの存在の偉大さを、あらためて認識させた。
★山の郵便配達 英題 Postmen in the Mountains フォ・ジェンチイ(霍建起)監督/1999年/中国映画/中国語/93分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 IT全盛の時代の中で、コツコツと郵便を配達する父と息子の2日間の旅は、今の日本から失われつつある人と人との絆を思い出させ、国境を越えた感動を呼んだ。



★夕映えの道 原題 Rue du Retrait ルネ・フェレ監督/2001年/フランス映画/フランス語/90分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:角川大映映画 年齢や境遇を越えて育まれた老婦人と中年女性の友情。自立して生きる孤独と誇りをフェレ監督は温かいまなざしで包み、多くの女性の共感を得た。
★ゆずり葉の頃 英題 Before the Leaves Fall 中みね子監督/2014年/日本映画/日本語/102分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パンドラ 岡本喜八監督の名プロデューサーとして知られる中みね子監督の初作品。戦争の記憶と高齢の母と息子の関係を温かく描き中高年女性を中心に大ヒットした。
★夢のアンデス 英題  The Cordillera of dreams パトリシオ・グスマン監督/2019年/チリ=フランス映画/スペイン語/85分/カラー/配給:アップリンク
★夢のまにまに 英題 Dreaming Awake 木村威夫監督/2008年/日本映画/日本語/106分/ヴィスタヴィジョン/配給:パル企画 映画美術の大御所木村氏が長編劇映画を初監督。自らの人生と戦争に対する思いを瑞々しい映像で表現。90歳の監督デビューはギネスブックにも認定された。



★夜の儀式 原題 Riten イングマール・ベルイマン監督/1970年/スウェーデン映画/スウェーデン語/75分/モノクロ/スタンダード/配給:IP



★『ラサへの歩き方~祈りの2400km』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★『ラモとガベ』 映画で見る現代チベット チベット映画特集
★楽園からの旅人 原題 Il villaggio di cartone/英題The Cardboard village エルマンノ・オルミ監督/2011年/イタリア映画/イタリア語/87分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:アルシネテラン 取り壊される寸前のカトリック教会を舞台に、オルミ監督は宗教、民族、経済、暴力など今のヨーロッパが抱える問題を寓話的に描き、改めて存在感を示した。
★ランジェ公爵夫人 原題 Ne touchez pas la hache ジャック・リヴェット監督/2006年/フランス=イタリア映画/フランス語/137分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:セテラ・インターナショナル 文豪バルザックの原作をヌーヴェルヴァーグの巨匠リヴェットが完全映画化。19世紀初頭のパリの貴族社会の絢爛豪華さとその駆引きに観客は魅せられた。



★林檎の木 原題 Apfelbäume ヘルマ・サンダース=ブラームス監督/1992年/ドイツ映画/ドイツ語/111分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 東西統一に至っても、なお新たな波にもまれつづける旧東独の人々の心の傷を描いて、ブラームス監督の実力と、日本での人気の高さが改めて浮彫りにされた。
★リンドグレーン 原題 Unga Astrid 英題 Becoming Astrid ペアニレ・フィシャー・クリステンセン監督/2018年/スウェーデン=デンマーク/123分/スウェーデン語、デンマーク語/カラー/シネマスコープ/配給:ミモザフィルムズ 世界中で愛され、読み継がれている児童文学作家の若き苦悩の日々と、それを乗り越えていく彼女の強さ、リンドグレーンの知られざる原点に迫った感動作。



★ルードウィヒ 原題 Ludwig ルキノ・ヴィスコンティ監督/1972年/イタリア=西ドイツ映画/イタリア語/184分/カラー/シネマスコープ/配給:東宝東和 19世紀末のバイエルン国王ルードウィヒ二世の半生を耽美的に描いたヴィスコンティの超大作。岩波ホールにおける興行成績の記録を樹立した。
★ルイズその旅立ち 英題 Louise 藤原智子監督/1997年/日本映画/日本語/98分/配給:「ルイズ」製作委員会 大杉栄・伊藤野枝の四女で市民運動家の伊藤ルイの半生を描いたドキュメンタリー作品。日本の近代史に新しい光を当てて、女性の支持を得た。



★ローザ・ルクセンブルク 原題 Rosa Luxemburg マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/1985年/西ドイツ映画/ドイツ語/122分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和
★ローザ・ルクセンブルク(再上映 1987年初公開)マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/1985年/西ドイツ映画/ドイツ語/122分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:東宝東和 東欧の政治情勢の変革に、今こそローザをという観客の要望に応えてのアンコールショー。人間の顔をした社会主義をとなえて孤独な闘いをつづけたローザを、女性の側面からとらえたトロッタ監督の製作意図が、あらためて確認された。
★ローザ・ルクセンブルク(再上映 1987年初公開)原題 Rosa Luxemburg マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/1986年/西ドイツ映画/ドイツ語/122分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:パンドラ
★ローマの奇跡 原題 Milagro en Roma リサンドロ・ドゥケ・ナランホ監督/1988年/コロンビア=スペイン映画/スペイン語/80分/カラー/スタンダード/配給:シネセゾン 父親と幼い娘の奇跡を描いてシリーズ中もっとも人気の高かった作品。政治や宗教への不信と批判をこめながらも、そこにあふれている抒情が美しかった。
★ローマの教室で〜我らの佳き日々〜 原題 Il rosso e il blu ジュゼッペ・ピッチョーニ監督/2012年/イタリア映画/イタリア語/101分/カラー/シネマスコープ/配給:クレストインターナショナル ローマの公立高校。全くタイプの違う3人の教師が、それぞれに生徒と向き合い、教育の奥深さに気づく。背景にあるイタリア文化の豊かさを観客に示した。
★老親 ろうしん  英題 Roh Shin 槙坪夛鶴子監督/2000年/日本映画/日本語/112分/カラー/スタンダード/配給:企画制作パオ 実話に基づいて女性と高齢者の自立を描いたこの作品は、まさに介護の現実に直面する世代の幅広い共感を呼んだ。
★「ロシュフォールの恋人たち」原題 Les Demoiselles de Rochefort ジャック・ドゥミ監督/1966年/フランス映画/フランス語/127分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ハピネット
★「ロバと王女」原題 Peau d’âne ジャック・ドゥミ監督/1970年/フランス映画/フランス語/89分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:セテラ・インターナショナル



★若き作曲家の旅 原題 Axalgazrda kompozitoris mogzauroba ゲオルギ・シェンゲラヤ監督/1985年/グルジア映画/グルジア語/104分/カラー/スタンダード/配給:日本海映画 第一次ロシア革命後のグルジアは帝政ロシア軍の巻返しが盛んだった。民族の自立と独立を求め、散った人々を「ピロスマニ」の名匠は静かなまなざしで悼む。
★わが故郷の歌 原題 Gomshodei dar Araq バフマン・ゴバディ監督/2002年/イラン映画/クルド語/100分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:オフィスサンマルサン 1980年代のイラン・イラク戦争が庶民にもたらしたものは何であったか。悲惨な状況と一筋の希望を描き、ゴバディ監督はクルド人が担う今日の問題を提起。
★惑星ソラリス 原題 Solaris アンドレイ・タルコフスキー監督/1972年/ソビエト映画/ロシア語/165分/カラー/シネマスコープ/配給:日本海映画
★鷲の指輪 原題 Pierścionek z orłem w koronie アンジェイ・ワイダ監督/1992年/ポーランド=イギリス=フランス=ドイツ映画/ポーランド語/106分/カラー/ヴィスタヴィジョン/配給:ヘラルド・エース、日本ヘラルド映画 「灰とダイヤモンド」で描くことのできなかったワルシャワ蜂起の真実を明らかにすることがワイダ監督の念願だった。共産主義政権が倒れた今、夢が実現した。
★私のお祖母さん 原題 Chemi Bebia コンスタンティネ・ミカベリゼ監督/1929年/サイレント/61分/白黒 無声映画時代の伝説的作品。一人の役人が失職し、再就職しようとする顛末をとおして官僚主義を痛烈に批判する。アニメーションを斬新に使い、ソ連体制下、アヴァンギャルドでアナーキーな力に満ちた内容のため、ジョージアで初めて公開禁止になった作品。
★わたしはダフネ 原題 DAFNE フェデリコ・ボンディ監督/2019年/イタリア映画/イタリア語/94分/カラー/シネマスコープ/配給:ザジフィルムズ
★私は20歳 原題 Zastava Iliycha マルレン・フツィエフ監督/1962年/ソビエト映画/ロシア語/198分/モノクロ/スタンダード/配給:シネセゾン 1960年代、フルシチョフの“雪解け”時代を描きながら、皮肉にもそのフルシチョフによって公開禁止になった。これが完全復元版の世界初公開となった。
★笑う故郷 原題 El Cludadano Ilustre/英題 The Distinguished Citizen ガストン・ドゥプラット監督、マリアノ・コーン監督/2016年/アルゼンチン=スペイン映画/117分/カラー/配給:パンドラ アルゼンチン出身のノーベル賞作家が40年ぶりに故郷に帰る。熱烈な歓迎がいつしか思いがけない方向へと転換し、人間の嫉妬や侮辱などを露わにした悲喜劇。
★ワレサ 連帯の男 原題 Wałęsa. Człowiek z nadziei / 英題 Walesa. Man of Hope アンジェイ・ワイダ監督/2013年/ポーランド映画/ポーランド語、イタリア語/124分/カラー/シネマスコープ/配給:アルバトロス・フィルム ポーランド民主化のきっかけとなったストライキを指導したワレサ。彼を描き時代を描けるのは自分だという監督の強い使命感が、観客の絶大な支持を得た。
★湾生回家 原題 湾生回家/英題 Wansei Back Home ホァン・ミンチェン(黄銘正)監督/2015年/台湾映画/日本語、中国語/111分/カラー/配給:太秦/ドキュメンタリー 戦前の日本統治下の台湾で生まれた日本人“湾生”。日本に強制送還された彼らにとって祖国とは故郷とは何か。台湾で大ヒットし日本でも大きな反響を呼んだ。



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