インターネットの怒涛のような普及で、web対応に遅れた雑誌(紙ベースにこだわってきた雑誌は特に悲惨です)は、刊行部数激減の果てに、雪ダルマ式に負債を増やしながら追い詰められ、どんどん廃刊に追い込まれている現実に歯止めがかかりません。
雑誌の刊行部数の戦後最低記録を年毎にますます塗り替え続けているというのが現状です。
通勤電車のなかで雑誌はおろか新聞を読んでいる人さえ最近はまったく見かけませんし(ましてや書籍などトンデモナイという感じですから)、町で行き交う人たちが片手に雑誌を抱えている姿など見なくなりました。
スマホがそういう日常風景の在り方を根本から変えてしまったのでしょうね、驚くべきことだと思います。
以前ならサラリーマンが週刊誌(自分の場合は「週刊文春」か「週刊新潮」でしたが)を抱えている姿などザラだったし、なかにはあの分厚い「文芸春秋」をさえ持ち歩いていた人もいたくらいですから、いまの出版業界の閑散としたシャッター状態と比較すると、ほんとに昔日の感があります、実にさびしい限りです。
まあ、ハナから発行部数が少なかった学術誌や地味系の専門誌などは、それでも律儀な固定読者がしっかりと支えてくれているので、どうにか踏みとどまっているらしいのですが、もっとも厳しい局面にあるのが膨大な発行部数を誇っていたトレンディなファッション雑誌や料理本など趣味の本関係ということらしいのです。
しかし、なにも読者が「ファッション」や「レシピ」の情報を必要としなくなったのかといえば、そうではなくて、いま必要な部分だけが提供される「切売り」があれば十分(まさにスマホです)なので、いま必要としない情報までには金は出さないという「シビア」な姿勢に変わってきたのだと思います。
そういう熾烈な状況を考えると、自分が愛読している「キネマ旬報」などは、随分と頑張っていると思います、実にたいしたものだと常々感心している次第です。
まあ、これからちょっと苦言を呈しようかと思っているので、ここはひとつ軽く褒めておかないといけないかなということで。
しかし、この「キネマ旬報」、月にたった2回の配本だというのに、(自分のズボラとテイタラクを棚に上げて言うのもなんですが)ここのところ、じっくり腰を落ち着けて読んだという記憶がありません。
いえいえ、記事がつまらないということではなくて、むしろ「ぜひとも読んでみたいという記事があるのにもかかわらず」ですから、そこを「読み逃」してしまう(イメージは「見逃す」と同じです)というのですから、自分のグウタラ振りもほとんど重症です。
そのなかで、これだけは是非ともじっくり目を通したい・通さねば、という一冊がありました。それは去年の11月下旬号掲載の「100%監督主義」という巻頭の特集記事で、サブタイトルが「100人の評論家が選んだ外国映画監督ベスト・テン」という物凄い企画です。
なるほど、なるほど。
世の中の急激な変化を敏感に反映する映画のことです、昨日の情報が、今日には役立たないなんてことは当然で、入れ替わりの激しいトレンディな「映画監督情報」なら是非ともチェックしておきたいとは気になっていながら、なんだかんだと延び延びになり、ついに「今日」になってしまいました。
記事の構成は、「外国映画監督ベスト・テン」の12人(同数として7位が2人、9位が4人)が顔写真入りで紹介されており、次頁に、下位の監督名がずらっと並んでいます。
大まかに振られているNo.を辿っていくと総勢361人になる勘定なのですが、実は、189位とすべき箇所を「289位」と表示したミスプリントがあって、実のところの総勢は、261人であることをリスト(下記参照)を作成して確かめました(「読者1位」は、読者のベストテン1位の意味です)。
そして、リストのうち1行空けた箇所は、そのグループの獲得ポイントの境目で、例えば、
クリント・イーストウッドの81ポイントの1位からはじまって、ドゥニ・ヴィルヌーヴの43ポイントの2位、ポール・トーマス・アンダーソン30ポイトンの3位、という具合にベストテングループがあり、順次ずっと下がって、【アベル・フェラーラ】のグループがすべて3ポイント獲得、【アヌラーグ・バス】のグループがすべて2ポイント獲得、【アキ・カウリスマキ】のグループがすべて1ポイント獲得した監督という感じで下位の大きなグループが極めて僅差な点差で接しています。
しかし、考えてみれば、なんとアバウトで大味なランキングかとあきれてしまいました。なにしろ、各グループ内は、きっちり「五十音順」になっているところを見ると、最初に五十音順になっている整然たるリストがあって、それを切り取ってきただけらしいイージーさです、あきれないわけにはいきません。
なにしろ、たった2ポイントの差で100位からの差がついてしまううえのこの「五十音」ですから、どこがベストテンかと、思わず苦笑してしまいました。日本の雑誌でこんなことして遊んでいるなんて知ったら、カウリスマキはなんて言うでしょうね、うっかり教えられませんよね。
知られたら大変だ、もう日本になんか来てくれないかもしれません。
それに、末尾に掲げた4人は、読者のベスト10でランクされていた監督なのですが、業界人が選んだ261位にも入らなかったというわけで、「それってどういうことなの」という気分です。
なんだか釈然としませんが。
以下は、ランキング・リストです。とにかく「労作」です、褒めてください。
【クリント・イーストウッド】1位・読者2位
【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】2位・読者5位
【ポール・トーマス・アンダーソン】3位
【ミゲル・ゴメス】4位
【ウェス・アンダーソン】5位・読者17位
【デイミアン・チャゼル】6位・読者9位
【ジャン=リュック・ゴダール】7位
【キム・ギドク】8位
【ジャン・ジャンクー】9位・読者26位
【ラース・フォン・トリアー】10位
【クリストファー・ノーラン】11位・読者1位
【ジョエル&イーサン・コーエン】12位・読者20位
【ジョニー・トー】13位・読者14位
【パオロ・ソレンティーノ】14位
【グザヴィエ・ドラン】15位・読者8位
【スティーヴン・スピルバーグ】16位・読者7位
【トッド・ヘインズ】17位
【リチャード・リンクレイター】18位・読者28位
【アルフォンソ・キュアロン】19位
【アルハンドロ・ホドロフスキー】20位
【イエジー・スコリモフスキー】21位
【アピチャッポン・ウィーラセタクン】22位
【アスガー・ファルハディ】23位
【クェンティン・タランティーノ】24位・読者4位
【トーマス・アルフレッドソン】25位
【ブリランテ・メンドーサ】26位
【ホン・サンス】27位
【ワン・ピン 王兵】28位
【アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ】29位・読者10位
【ウディ・アレン】30位・読者6位
【ジャウマ・コレット=セラ】31位
【ブライアン・デ・パルマ】32位
【ポール・フェイグ】33位
【アルノー・ディプレシャン】34位
【アンドレイ・ズビャギンツェフ】35位
【イーライ・ロス】36位
【ジャック・オディアール】37位
【ドリュー・バリモア】38位
【ポン・ジュノ】39位・読者18位
【イ・チャンドン】40位
【ヴィクトル・エリセ】41位
【ギヨーム・ブラック】42位
【ケン・ローチ】43位
【サラ・ポーリー】44位
【ジャンフランコ・ロージー】45位
【ジョン・カーペンター】46位
【ジョン・ワッツ】47位
【ミア・ハンセン=ラブ】48位
【レオス・カラックス】49位
【アブデラティフ・ケシシュ】50位
【アン・リー】51位
【ヴェルナー・ヘルウォーク】52位
【シュー・ハオフォン 徐浩峰】53位
【チャウ・シンチー】54位
【ディアオ・イーナン 刀亦男】55位
【トム・フォード】56位
【ハニ・アブ・アサド】57位
【ホウ・シャオシェン】58位
【リドリー・スコット】59位・読者24位
【アダム・ウィンガード】60位
【ギレルモ・デル・トロ】61位
【ジョン・カーニー】62位・読者15位
【ソフィア・コッポラ】63位
【ペドロ・アルモドバル】64位
【マーティン・スコセッシ】65位・読者20位
【モフセン・マクバルハフ】66位
【ラヴ・ディアス】67位
【ショーン・ペン】68位
【ディヴィッド・ミショッド】69位
【ヌリ・ビルゲ・ジェイラン】70位
【ノア・バームバック】71位
【ベン・アフレック】72位
【アイラ・サックス】73位
【アニエス・ヴァルダ】74位
【アリ・フォルマン】75位
【イム・グォンテク】76位
【ギジェルモ・アリアガ】77位
【ジェームス・L・ブルックス】78位
【ジェームス・キャメロン】79位
【ジェームス・グレイ】80位
【ジェフ・ニコルズ】81位
【ジャファール・バナヒ】82位
【ジョージ・ミラー】83位・読者19位
【ジョン・トレス】84位
【シルヴェスタ・スタローン】85位
【スサンネ・ビア】86位
【スティーヴン・ダルドリー】87位
【スティーヴ・マックイーン】88位
【セバスチャン・シッパー】89位
【ダン・ギルロイ】90位
【チャン・ロンジー】91位
【ツァイ・ミンリャン】92位
【トミー・リー・ジョーンズ】93位
【トム・ティクヴァ】94位
【ナ・ホンジン】95位
【ニコラス・ウィンディング・レフン】96位
【バズ・ラーマン】97位
【ファティ・アキン】98位
【フィル・ロード&クリストファー・ミラー】99位
【フランソワ・オゾン】100位・読者13位
【ペドロ・コスタ】101位
【マティアス・ピニェイロ】102位
【ミロスラヴ・スラボシュピツキー】103位
【リ・イン 李纓】104位
【リョン・ロクマン&サニー・ルク】105位
【レナ・ダナム】106位
【レニー・エイブラハムソン】107位
【ローズ・ボッシュ】108位
【ロブ・マーシャル】109位
【ロブ・ライナー】110位
【アトム・エゴヤン】111位
【ウィゼマ・ボルヒュ】112位
【ウィリアム・フリードキン】113位
【ギャスパー・ノエ】114位
【クアク・ジャヨン】115位
【クレイグ・ブリュワー】116位
【サイモン・カーティス】117位
【シーグリット・アーンドレア・P・ベルナード】118位
【J・J・エイブラハムス】119位
【ジム・ジャームッシュ】120位
【ジョー・カーナハン】121位
【ジョシュア・オッペンハイマー】122位
【ジョン・ファブロー】123位
【チャンヤン 張楊】124位
【チャン・ユーシュン】125位
【チョン・モンホン】126位
【デイヴィッド・エアー】127位・読者25位
【デブ・ラグラニック】128位
【ナンシー・マイヤーズ】129位
【ネヴェルダイン/テイラー】130位
【パン・ホーチョン 彭浩翔】131位
【ブルハン・クルバニ】132位
【フレデリック・ワイズマン】133位
【ベルトラン・ボロネ】134位
【ホイット・スティルマン】135位
【マーレン・アーデ】136位
【マルガレーテ・フォン・トロッタ】137位
【ミケランジェロ・フランマルティーノ】138位
【ミシェル・アザナヴィシウス】139位
【ミヒャエル・ハネケ】140位・読者23位
【ヤウ・ナイホイ】141位
【リチャード・アイオアディ】142位
【アベル・フェラーラ】143位
【アレクセイ・フェドロチェンコ】144位
【イー・ツーイェン】145位
【ヴォルフガング・ベッカー】146位
【ウルリヒ・ザイドル】147位
【エリック・エマニュエル・シュミット】148位
【キム・ゴク&キム・ソン】149位
【ギャヴィン・フッド】150位
【キャスリン・ビグロー】151位
【クリスティアン・ペッツォルト】152位
【クリストファー・マッカリー】153位
【クリスビン・グローヴァー】154位
【ジェイ・ローチ】155位
【J・C・チャンダー】156位
【ジェームズ・ガン】157位
【ジャスティン・リン】158位
【ジャド・アパトー】159位
【ジャン=マリー・ストロープ】160位
【ジョディ・フォスター】161位
【ジョナサン・グレイザー】162位
【ステファヌ・ブリゼ】163位
【ダニー・ボイル】164位
【ダン・トラクテンバーグ】165位
【ディヴィッド・フィンチャー】166位・読者3位
【ディヴィッド・リンチ】167位
【ティム・バートン】168位・読者12位
【テリー・ギリアム】169位
【トッド・フィールド】170位
【トニー・ガトリフ】171位
【トム・フーバー】172位
【ナワポン・タムロンラタナリット】173位
【ニール・ブロムカンプ】174位
【ネメス・ラースロー】175位
【ハイレ・ゲリマ】176位
【パトリシオ・グスマン】177位
【フランシス・F・コッポラ】178位
【ベネット・ミラー】179位
【ベン・ウィートリー】180位
【ホセ・ルイス・ゲリン】181位
【マーク・ローレンス】182位
【ミランダ・ジュライ】183位
【メイベル・チャン】184位
【ラージクマール・ヒラーニ】185位
【リュ・スンワン】186位
【ロバート・ストロンバーグ】187位
【ロン・ハワード】188位
【アヌラーグ・バス】189位
【ウォン・カーウァイ】190位
【エドモンド・ヨウ】191位
【オリヴィエ・アサイヤス】192位
【カルロス・ベルムト】193位
【カン・ギェジュ】194位
【ゲイリー・ロス】195位
【サース・ヤーノシュ】196位
【サミュエル・ベンシェトリ】197位
【ジャンニ・アメリオ】198位
【ジュゼッペ・トルナトーレ】199位
【ジョージ・クルーニー】200位
【ジョゼ・パジーリア】201位
【ジョセフ・カーン】202位
【ジョン・ブアマン】203位
【ジョン・リー・ハンコック】204位
【スティーヴン・フリアーズ】205位
【ソト・クォーリーカー】206位
【ダン・ニャット・ミン】207位
【ディヴィッド・クローネンバーグ】208位
【ディヴィッド・マッケンジー】209位
【ディヴィッド・ロバート・ミッチェル】210位
【トム・マッカーシー】211位
【ニコラス・ローグ】212位
【ニック・パーク】213位
【パスカル・フェラン】214位
【プラッチャヤー・ピンゲーオ】215位
【フレッド・カヴァイエ】216位
【フロリアン・ダーヴィト・フィッツ】217位
【ホアン・ミンチェン 黄銘正】218位
【マーティン・マクドナー】219位
【マシュー・ヴォーン】220位・読者11位
【マルタン・プロヴォスト】221位
【ヨアヒム・トリアー】222位
【ラミン・バーラニ】223位
【リー・ダニエルス】224位
【リサンドロ・アロンソ】225位
【リチャード・ケリー】226位
【リティ・パニエ】227位
【アキ・カウリスマキ】228位
【アラン・モイル】229位
【アレキサンダー・ペイン】230位・読者30位
【イム・スルレ】231位
【ヴァンサン・マケーニュ】232位
【エドウィン】233位
【カルロス・レイガダス】234位
【ジェームス・T・ホン】235位
【ジェームズ・ヴァンダービルト】236位
【ジェフリー・C・チャンダー】237位
【シャロン・マイモン&タル・グラニット】238位
【ジョー・グータイ 周格泰】239位
【ジョエル・ホプキンス】240位
【ジョージ・A・ロメロ】241位
【ジョージ・ルーカス】242位
【ジョージ・ロイ・ヒル】243位
【ジョン・ハイアムズ】244位
【スティーヴン・ナイト】245位
【スパイク・ジョーンズ】246位
【スペイシー・ペラルダ】247位
【ダミアン・マニヴェル】248位
【タル・ベーラ】249位
【チェ・ドンフン】250位
【チェン・ユーシュン 陳玉勲】251位
【チョン・グンソプ】252位
【デレク・シアンフラン】253位
【ドーリス・デリエ】254位
【トビアス・リンホルム】255位
【ハーモニー・コリン】256位
【ブリュノ・デュモン】257位
【マイケル・マン】258位
【モンテ・ヘルマン】259位
【リリ・リザ】260位
【ルーシャン・キャステーヌ・テイラー&ヴェレナ・パラヴェル】261位
【ジャン=ピエール&リュッリ・ダルデンヌ】・読者16位
【ペドロ・アルモノバル】・読者22位
【ギレルモ・デル・トロ】・読者26位
【ナ・ホンジン】・読者29位
雑誌の刊行部数の戦後最低記録を年毎にますます塗り替え続けているというのが現状です。
通勤電車のなかで雑誌はおろか新聞を読んでいる人さえ最近はまったく見かけませんし(ましてや書籍などトンデモナイという感じですから)、町で行き交う人たちが片手に雑誌を抱えている姿など見なくなりました。
スマホがそういう日常風景の在り方を根本から変えてしまったのでしょうね、驚くべきことだと思います。
以前ならサラリーマンが週刊誌(自分の場合は「週刊文春」か「週刊新潮」でしたが)を抱えている姿などザラだったし、なかにはあの分厚い「文芸春秋」をさえ持ち歩いていた人もいたくらいですから、いまの出版業界の閑散としたシャッター状態と比較すると、ほんとに昔日の感があります、実にさびしい限りです。
まあ、ハナから発行部数が少なかった学術誌や地味系の専門誌などは、それでも律儀な固定読者がしっかりと支えてくれているので、どうにか踏みとどまっているらしいのですが、もっとも厳しい局面にあるのが膨大な発行部数を誇っていたトレンディなファッション雑誌や料理本など趣味の本関係ということらしいのです。
しかし、なにも読者が「ファッション」や「レシピ」の情報を必要としなくなったのかといえば、そうではなくて、いま必要な部分だけが提供される「切売り」があれば十分(まさにスマホです)なので、いま必要としない情報までには金は出さないという「シビア」な姿勢に変わってきたのだと思います。
そういう熾烈な状況を考えると、自分が愛読している「キネマ旬報」などは、随分と頑張っていると思います、実にたいしたものだと常々感心している次第です。
まあ、これからちょっと苦言を呈しようかと思っているので、ここはひとつ軽く褒めておかないといけないかなということで。
しかし、この「キネマ旬報」、月にたった2回の配本だというのに、(自分のズボラとテイタラクを棚に上げて言うのもなんですが)ここのところ、じっくり腰を落ち着けて読んだという記憶がありません。
いえいえ、記事がつまらないということではなくて、むしろ「ぜひとも読んでみたいという記事があるのにもかかわらず」ですから、そこを「読み逃」してしまう(イメージは「見逃す」と同じです)というのですから、自分のグウタラ振りもほとんど重症です。
そのなかで、これだけは是非ともじっくり目を通したい・通さねば、という一冊がありました。それは去年の11月下旬号掲載の「100%監督主義」という巻頭の特集記事で、サブタイトルが「100人の評論家が選んだ外国映画監督ベスト・テン」という物凄い企画です。
なるほど、なるほど。
世の中の急激な変化を敏感に反映する映画のことです、昨日の情報が、今日には役立たないなんてことは当然で、入れ替わりの激しいトレンディな「映画監督情報」なら是非ともチェックしておきたいとは気になっていながら、なんだかんだと延び延びになり、ついに「今日」になってしまいました。
記事の構成は、「外国映画監督ベスト・テン」の12人(同数として7位が2人、9位が4人)が顔写真入りで紹介されており、次頁に、下位の監督名がずらっと並んでいます。
大まかに振られているNo.を辿っていくと総勢361人になる勘定なのですが、実は、189位とすべき箇所を「289位」と表示したミスプリントがあって、実のところの総勢は、261人であることをリスト(下記参照)を作成して確かめました(「読者1位」は、読者のベストテン1位の意味です)。
そして、リストのうち1行空けた箇所は、そのグループの獲得ポイントの境目で、例えば、
クリント・イーストウッドの81ポイントの1位からはじまって、ドゥニ・ヴィルヌーヴの43ポイントの2位、ポール・トーマス・アンダーソン30ポイトンの3位、という具合にベストテングループがあり、順次ずっと下がって、【アベル・フェラーラ】のグループがすべて3ポイント獲得、【アヌラーグ・バス】のグループがすべて2ポイント獲得、【アキ・カウリスマキ】のグループがすべて1ポイント獲得した監督という感じで下位の大きなグループが極めて僅差な点差で接しています。
しかし、考えてみれば、なんとアバウトで大味なランキングかとあきれてしまいました。なにしろ、各グループ内は、きっちり「五十音順」になっているところを見ると、最初に五十音順になっている整然たるリストがあって、それを切り取ってきただけらしいイージーさです、あきれないわけにはいきません。
なにしろ、たった2ポイントの差で100位からの差がついてしまううえのこの「五十音」ですから、どこがベストテンかと、思わず苦笑してしまいました。日本の雑誌でこんなことして遊んでいるなんて知ったら、カウリスマキはなんて言うでしょうね、うっかり教えられませんよね。
知られたら大変だ、もう日本になんか来てくれないかもしれません。
それに、末尾に掲げた4人は、読者のベスト10でランクされていた監督なのですが、業界人が選んだ261位にも入らなかったというわけで、「それってどういうことなの」という気分です。
なんだか釈然としませんが。
以下は、ランキング・リストです。とにかく「労作」です、褒めてください。
【クリント・イーストウッド】1位・読者2位
【ドゥニ・ヴィルヌーヴ】2位・読者5位
【ポール・トーマス・アンダーソン】3位
【ミゲル・ゴメス】4位
【ウェス・アンダーソン】5位・読者17位
【デイミアン・チャゼル】6位・読者9位
【ジャン=リュック・ゴダール】7位
【キム・ギドク】8位
【ジャン・ジャンクー】9位・読者26位
【ラース・フォン・トリアー】10位
【クリストファー・ノーラン】11位・読者1位
【ジョエル&イーサン・コーエン】12位・読者20位
【ジョニー・トー】13位・読者14位
【パオロ・ソレンティーノ】14位
【グザヴィエ・ドラン】15位・読者8位
【スティーヴン・スピルバーグ】16位・読者7位
【トッド・ヘインズ】17位
【リチャード・リンクレイター】18位・読者28位
【アルフォンソ・キュアロン】19位
【アルハンドロ・ホドロフスキー】20位
【イエジー・スコリモフスキー】21位
【アピチャッポン・ウィーラセタクン】22位
【アスガー・ファルハディ】23位
【クェンティン・タランティーノ】24位・読者4位
【トーマス・アルフレッドソン】25位
【ブリランテ・メンドーサ】26位
【ホン・サンス】27位
【ワン・ピン 王兵】28位
【アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ】29位・読者10位
【ウディ・アレン】30位・読者6位
【ジャウマ・コレット=セラ】31位
【ブライアン・デ・パルマ】32位
【ポール・フェイグ】33位
【アルノー・ディプレシャン】34位
【アンドレイ・ズビャギンツェフ】35位
【イーライ・ロス】36位
【ジャック・オディアール】37位
【ドリュー・バリモア】38位
【ポン・ジュノ】39位・読者18位
【イ・チャンドン】40位
【ヴィクトル・エリセ】41位
【ギヨーム・ブラック】42位
【ケン・ローチ】43位
【サラ・ポーリー】44位
【ジャンフランコ・ロージー】45位
【ジョン・カーペンター】46位
【ジョン・ワッツ】47位
【ミア・ハンセン=ラブ】48位
【レオス・カラックス】49位
【アブデラティフ・ケシシュ】50位
【アン・リー】51位
【ヴェルナー・ヘルウォーク】52位
【シュー・ハオフォン 徐浩峰】53位
【チャウ・シンチー】54位
【ディアオ・イーナン 刀亦男】55位
【トム・フォード】56位
【ハニ・アブ・アサド】57位
【ホウ・シャオシェン】58位
【リドリー・スコット】59位・読者24位
【アダム・ウィンガード】60位
【ギレルモ・デル・トロ】61位
【ジョン・カーニー】62位・読者15位
【ソフィア・コッポラ】63位
【ペドロ・アルモドバル】64位
【マーティン・スコセッシ】65位・読者20位
【モフセン・マクバルハフ】66位
【ラヴ・ディアス】67位
【ショーン・ペン】68位
【ディヴィッド・ミショッド】69位
【ヌリ・ビルゲ・ジェイラン】70位
【ノア・バームバック】71位
【ベン・アフレック】72位
【アイラ・サックス】73位
【アニエス・ヴァルダ】74位
【アリ・フォルマン】75位
【イム・グォンテク】76位
【ギジェルモ・アリアガ】77位
【ジェームス・L・ブルックス】78位
【ジェームス・キャメロン】79位
【ジェームス・グレイ】80位
【ジェフ・ニコルズ】81位
【ジャファール・バナヒ】82位
【ジョージ・ミラー】83位・読者19位
【ジョン・トレス】84位
【シルヴェスタ・スタローン】85位
【スサンネ・ビア】86位
【スティーヴン・ダルドリー】87位
【スティーヴ・マックイーン】88位
【セバスチャン・シッパー】89位
【ダン・ギルロイ】90位
【チャン・ロンジー】91位
【ツァイ・ミンリャン】92位
【トミー・リー・ジョーンズ】93位
【トム・ティクヴァ】94位
【ナ・ホンジン】95位
【ニコラス・ウィンディング・レフン】96位
【バズ・ラーマン】97位
【ファティ・アキン】98位
【フィル・ロード&クリストファー・ミラー】99位
【フランソワ・オゾン】100位・読者13位
【ペドロ・コスタ】101位
【マティアス・ピニェイロ】102位
【ミロスラヴ・スラボシュピツキー】103位
【リ・イン 李纓】104位
【リョン・ロクマン&サニー・ルク】105位
【レナ・ダナム】106位
【レニー・エイブラハムソン】107位
【ローズ・ボッシュ】108位
【ロブ・マーシャル】109位
【ロブ・ライナー】110位
【アトム・エゴヤン】111位
【ウィゼマ・ボルヒュ】112位
【ウィリアム・フリードキン】113位
【ギャスパー・ノエ】114位
【クアク・ジャヨン】115位
【クレイグ・ブリュワー】116位
【サイモン・カーティス】117位
【シーグリット・アーンドレア・P・ベルナード】118位
【J・J・エイブラハムス】119位
【ジム・ジャームッシュ】120位
【ジョー・カーナハン】121位
【ジョシュア・オッペンハイマー】122位
【ジョン・ファブロー】123位
【チャンヤン 張楊】124位
【チャン・ユーシュン】125位
【チョン・モンホン】126位
【デイヴィッド・エアー】127位・読者25位
【デブ・ラグラニック】128位
【ナンシー・マイヤーズ】129位
【ネヴェルダイン/テイラー】130位
【パン・ホーチョン 彭浩翔】131位
【ブルハン・クルバニ】132位
【フレデリック・ワイズマン】133位
【ベルトラン・ボロネ】134位
【ホイット・スティルマン】135位
【マーレン・アーデ】136位
【マルガレーテ・フォン・トロッタ】137位
【ミケランジェロ・フランマルティーノ】138位
【ミシェル・アザナヴィシウス】139位
【ミヒャエル・ハネケ】140位・読者23位
【ヤウ・ナイホイ】141位
【リチャード・アイオアディ】142位
【アベル・フェラーラ】143位
【アレクセイ・フェドロチェンコ】144位
【イー・ツーイェン】145位
【ヴォルフガング・ベッカー】146位
【ウルリヒ・ザイドル】147位
【エリック・エマニュエル・シュミット】148位
【キム・ゴク&キム・ソン】149位
【ギャヴィン・フッド】150位
【キャスリン・ビグロー】151位
【クリスティアン・ペッツォルト】152位
【クリストファー・マッカリー】153位
【クリスビン・グローヴァー】154位
【ジェイ・ローチ】155位
【J・C・チャンダー】156位
【ジェームズ・ガン】157位
【ジャスティン・リン】158位
【ジャド・アパトー】159位
【ジャン=マリー・ストロープ】160位
【ジョディ・フォスター】161位
【ジョナサン・グレイザー】162位
【ステファヌ・ブリゼ】163位
【ダニー・ボイル】164位
【ダン・トラクテンバーグ】165位
【ディヴィッド・フィンチャー】166位・読者3位
【ディヴィッド・リンチ】167位
【ティム・バートン】168位・読者12位
【テリー・ギリアム】169位
【トッド・フィールド】170位
【トニー・ガトリフ】171位
【トム・フーバー】172位
【ナワポン・タムロンラタナリット】173位
【ニール・ブロムカンプ】174位
【ネメス・ラースロー】175位
【ハイレ・ゲリマ】176位
【パトリシオ・グスマン】177位
【フランシス・F・コッポラ】178位
【ベネット・ミラー】179位
【ベン・ウィートリー】180位
【ホセ・ルイス・ゲリン】181位
【マーク・ローレンス】182位
【ミランダ・ジュライ】183位
【メイベル・チャン】184位
【ラージクマール・ヒラーニ】185位
【リュ・スンワン】186位
【ロバート・ストロンバーグ】187位
【ロン・ハワード】188位
【アヌラーグ・バス】189位
【ウォン・カーウァイ】190位
【エドモンド・ヨウ】191位
【オリヴィエ・アサイヤス】192位
【カルロス・ベルムト】193位
【カン・ギェジュ】194位
【ゲイリー・ロス】195位
【サース・ヤーノシュ】196位
【サミュエル・ベンシェトリ】197位
【ジャンニ・アメリオ】198位
【ジュゼッペ・トルナトーレ】199位
【ジョージ・クルーニー】200位
【ジョゼ・パジーリア】201位
【ジョセフ・カーン】202位
【ジョン・ブアマン】203位
【ジョン・リー・ハンコック】204位
【スティーヴン・フリアーズ】205位
【ソト・クォーリーカー】206位
【ダン・ニャット・ミン】207位
【ディヴィッド・クローネンバーグ】208位
【ディヴィッド・マッケンジー】209位
【ディヴィッド・ロバート・ミッチェル】210位
【トム・マッカーシー】211位
【ニコラス・ローグ】212位
【ニック・パーク】213位
【パスカル・フェラン】214位
【プラッチャヤー・ピンゲーオ】215位
【フレッド・カヴァイエ】216位
【フロリアン・ダーヴィト・フィッツ】217位
【ホアン・ミンチェン 黄銘正】218位
【マーティン・マクドナー】219位
【マシュー・ヴォーン】220位・読者11位
【マルタン・プロヴォスト】221位
【ヨアヒム・トリアー】222位
【ラミン・バーラニ】223位
【リー・ダニエルス】224位
【リサンドロ・アロンソ】225位
【リチャード・ケリー】226位
【リティ・パニエ】227位
【アキ・カウリスマキ】228位
【アラン・モイル】229位
【アレキサンダー・ペイン】230位・読者30位
【イム・スルレ】231位
【ヴァンサン・マケーニュ】232位
【エドウィン】233位
【カルロス・レイガダス】234位
【ジェームス・T・ホン】235位
【ジェームズ・ヴァンダービルト】236位
【ジェフリー・C・チャンダー】237位
【シャロン・マイモン&タル・グラニット】238位
【ジョー・グータイ 周格泰】239位
【ジョエル・ホプキンス】240位
【ジョージ・A・ロメロ】241位
【ジョージ・ルーカス】242位
【ジョージ・ロイ・ヒル】243位
【ジョン・ハイアムズ】244位
【スティーヴン・ナイト】245位
【スパイク・ジョーンズ】246位
【スペイシー・ペラルダ】247位
【ダミアン・マニヴェル】248位
【タル・ベーラ】249位
【チェ・ドンフン】250位
【チェン・ユーシュン 陳玉勲】251位
【チョン・グンソプ】252位
【デレク・シアンフラン】253位
【ドーリス・デリエ】254位
【トビアス・リンホルム】255位
【ハーモニー・コリン】256位
【ブリュノ・デュモン】257位
【マイケル・マン】258位
【モンテ・ヘルマン】259位
【リリ・リザ】260位
【ルーシャン・キャステーヌ・テイラー&ヴェレナ・パラヴェル】261位
【ジャン=ピエール&リュッリ・ダルデンヌ】・読者16位
【ペドロ・アルモノバル】・読者22位
【ギレルモ・デル・トロ】・読者26位
【ナ・ホンジン】・読者29位